10カ国以上訪れる旅行者は本当に稀なのか？旅行者データから見る傾向と実態

旅行好きな方々の中には「10カ国以上訪れた」という経験をお持ちの方もいますが、実際のところこれは稀なケースなのでしょうか？世界的に見た旅行者の傾向やデータから、多国訪問者の割合を調べ、その実態を明らかにしてみましょう。

10カ国以上訪れる旅行者の割合

10カ国以上の旅行経験がある方がどれほど稀なのかは、統計データによって確認できます。多くのデータは「年間の海外旅行者数」や「訪問国数」に関する統計であり、日本でも外務省や観光庁のデータを参照すると、年に一度も海外旅行をしない人が多く、複数回訪れる人は少数派であることがわかります。

特に、海外旅行が一般化しているヨーロッパなどと異なり、日本では仕事や休暇の取り方の影響もあり、年数回以上の海外旅行を行う人は比較的少ない傾向があります。そのため、10カ国以上訪問経験のある人は一部の旅行好きの方々に限られるのが実情です。

国際旅行のデータによると、全世界的にも10カ国以上を訪れる旅行者は多数派ではありません。世界観光機関（UNWTO）による統計では、年間数カ国以上に訪れる旅行者は一部に限られます。特にアジアや南米の国々においては、10カ国以上の渡航歴を持つ方はさらに少数派です。

また、旅行頻度の高いヨーロッパでも10カ国以上訪れる旅行者はいるものの、多くは隣接国の訪問が中心です。これに比べ、長距離の移動を伴う日本からの海外旅行では、移動距離と費用の面から10カ国以上訪れるのは稀と考えられます。

日本国内では、仕事の休暇が取りづらいことや、渡航費用が高いことから、年に何度も海外に行く人は少数派です。日本人のパスポート保有率も50%以下であり、まだまだ多くの人が国内での旅行を主としています。

そのため、10カ国以上の訪問歴がある人は、旅行に対する関心が高く、特別な休暇取得や仕事の調整をしている方が多いと考えられます。日本人にとっては、特に長期休暇を伴うヨーロッパや南米への旅行が少ないため、10カ国以上の訪問は比較的レアケースといえます。

旅行好きの人が複数国を訪れる傾向があるのは確かですが、それでも10カ国以上となると一部に限られます。一般的な観光地だけでなく、多様な文化や国を体験したいと考える旅行者が、10カ国以上訪れる傾向にあります。

このため、10カ国以上の訪問経験がある人は、旅行が好きなだけでなく、時間や資金を調整し、自己投資として旅行を楽しんでいる方が多いのが特徴です。

10カ国以上を訪問する人は決して多くなく、日本では特に稀な存在といえるでしょう。旅行が好きな人でも、年に数回の海外旅行が限界なことも多く、10カ国を超える渡航経験を持つ人は限られています。

複数国の訪問経験を持つことで得られる知見や経験は貴重ですが、時間や費用の壁もあるため、それが可能な人は一部に限られるのが実情です。ご自身が10カ国以上を目指す際には、長期的なプランを立てて無理のない範囲で計画を進めましょう。