愛知県稲沢市で毎年開催される「国府宮はだか祭」は、1200年以上の歴史を持つ伝統的な祭りです。正式名称を「儺追神事(なおいしんじ)」といい、奈良時代から続くこの祭りは、地域の厄除けと繁栄を祈願する重要な行事として親しまれています。
国府宮はだか祭の起源と歴史
「国府宮はだか祭」の起源は、奈良時代の神護景雲元年(767年)に遡ります。称徳天皇の勅命により、全国の国分寺で悪疫退散の祈祷が行われた際、尾張国司が総社である尾張大國霊神社でも祈祷を行ったことが始まりとされています。江戸時代末期には、裸の寒参りの風習と結びつき、現在のような形態となりました。
祭りの特徴と参加者数
毎年旧暦正月13日に開催されるこの祭りには、42歳と25歳の厄年の男性を中心に、尾張一円から数千人の裸男が集まります。彼らはサラシの褌に白タビ姿で「ワッショイ」の掛け声とともに境内を練り歩き、熱気あふれる光景が広がります。
女性参加者の増加と祭りの変化
近年、「国府宮はだか祭」には新たな変化が見られます。2024年には、地元の女性団体からの要望を受け、初めて女性の参加が認められました。約100人の女性が「儺追笹奉納」の行事に参加し、祭りの新しい時代を象徴する出来事となりました。2025年には、女性団体の参加が7から20ほどに増える見込みで、神事の時間延長も予定されており、女性の存在感がさらに高まることが期待されています。
祭りの見どころとクライマックス
祭りのクライマックスは、全身無垢の「神男」が登場し、彼に触れることで厄を落とそうと数千人の裸男が殺到する場面です。手桶隊が裸男たちに水をかける中、神男を巡る激しい揉み合いが展開され、祭りは最高潮に達します。
まとめ
「国府宮はだか祭」は、長い歴史と伝統を持ちながらも、時代の変化に応じて進化を続けています。地域の人々の熱意と参加者の多様性が、この祭りをさらに魅力的なものにしています。稲沢市を訪れる際には、ぜひこの独特な祭りの雰囲気を体感してみてはいかがでしょうか。


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