北海道といえば、本島の大きな陸地といくつかの有名な島々(利尻島、礼文島、奥尻島など)を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、実は北海道には1400以上の島が存在するとされています。地図上ではそこまで多く見えないのに、なぜそんなに島がカウントされているのか?この記事では、その疑問に答えるため、島の定義や分布の実態について詳しく解説していきます。
日本における「島」の定義とは?
まず前提として、日本で「島」と認められる定義があります。政府が採用している基準では、周囲が海に囲まれ、干潮時でも海面上に出ている自然の土地で、人為的に作られていないものを「島」としています。
この定義には大小問わず非常に小さな岩礁のような地形も含まれます。そのため、地図には描かれないような微小な島も、すべて数に含まれるのです。
北海道に分布する島々の実態
北海道にある1400以上の島の多くは、日本海側やオホーツク海沿岸、および根室・知床周辺などの沿岸部に点在する小さな無人島や岩礁です。特に流氷が到達するオホーツク沿岸には、波による浸食でできた岩礁の島が多く、それらもすべて「島」としてカウントされています。
たとえば、宗谷岬周辺や知床半島周辺では、船でしか近づけないような直径数メートルの島が多数存在しています。これらは観光地としては無名でも、自然地形としてしっかりと登録されている島々なのです。
北方領土の影響も無視できない
また、北海道に含まれるとされる島の中には、北方領土(国後島、択捉島、色丹島、歯舞群島)も含まれています。これらの島々は非常に広大で、国後島や択捉島は一つで数百平方キロメートルもの面積を持っています。
さらに、歯舞群島のように、小さな島が多数集まった島嶼群も含まれており、これも北海道の「島の数」を押し上げている要因の一つです。
なぜ地図上ではそれほど見えないのか?
地図やGoogleマップで見ても、1400という数の島が視認できないのは、そのほとんどが非常に小さく、地図縮尺に反映されないほどのサイズであるためです。
また、多くの島は無人であり、名称すらついていないものもあるため、一般的な地図帳や旅行ガイドには載っていないことが多いのです。
他県との比較:長崎との違い
日本で最も島が多いとされるのは長崎県で、その数は971島(2023年時点)とされています。一方、北海道はその長崎を上回る1471島があると、国土地理院による最新の調査で判明しました。
長崎の島々は多くが有人で歴史的背景も豊かですが、北海道の島々はほとんどが無人で、自然状態のまま残されている点が特徴的です。
まとめ
北海道に1400以上もの島がある理由は、国の定義に基づいて微小な岩礁も「島」として数えられていること、北方領土やオホーツク海沿岸に多数の無人島が存在することなどが挙げられます。地図では見えにくいものの、実際には日本最大の「島数」を持つ都道府県である北海道。その自然の豊かさと地形の多様性は、数字の上でも示されているのです。
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