ディズニーランドの炎演出装置の仕組みとは?「Reach for the Stars」演出技術の舞台裏

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東京ディズニーランドで開催されているナイトショー「Reach for the Stars(リーチ・フォー・ザ・スターズ)」では、シンデレラ城前の広場や塔の上で炎が舞い上がる迫力の演出が見どころです。観客の心を一瞬でつかむその演出には、高度な技術が隠されています。この記事では、そうした炎演出の仕組みや、どのような企業がその装置を提供しているのかについて、演出の裏側に迫ってみます。

炎演出に使われる「パイロ・エフェクト」とは?

ディズニーのナイトショーで使われる炎演出の多くは、「パイロ・エフェクト」と呼ばれる特殊効果の一種です。これは、可燃性ガスを制御して一瞬の炎を作り出す仕組みで、テーマパークやライブイベント、映画撮影などでも広く使われています。

炎の高さや間隔、持続時間などがコンピューター制御によって精密に管理されており、音楽や照明と完全にシンクロさせることで、観客に強烈なインパクトを与える演出が可能になります。

炎装置のメーカーとして知られる主な企業

ディズニーをはじめ、世界のテーマパークや大型イベントで採用されているパイロ装置の有名メーカーには以下のような企業があります。

  • Galaxis Showtechnik(ドイツ):ヨーロッパを中心に使用され、コンパクトなガス炎装置で高い信頼性を誇る。
  • Le Maitre(イギリス):舞台・コンサート向けの炎装置や花火で有名。
  • Pyrotek Special Effects(カナダ):アメリカのツアーショーやスポーツイベントで多数採用。
  • Magic FX(オランダ):視覚的インパクトの高い特殊効果を専門とし、炎装置もラインアップ。

ディズニーの公式な情報としては明かされていませんが、海外ディズニーパークの類似演出などから、PyrotekやGalaxisが一部採用されている可能性が高いと推察されています。

シンデレラ城前の6つの炎装置の特徴

「Reach for the Stars」の炎は、シンデレラ城前の地面から垂直に噴き上がる構成になっており、主に6基のフレイムシューターが設置されています。これらは以下のような特徴を持ちます。

  • 高さ:約3〜5メートルの垂直炎
  • タイミング:音楽と完全に同期するプログラム制御
  • ガス種:プロパンガスや特殊ガスを使用(無臭・高温)

炎の種類には「火柱型」と「閃光型」などがあり、ショーのシーンに応じて切り替わります。音響とのタイミングもミリ秒単位で合わせられており、没入感のある空間が演出されます。

塔の上の炎演出の構造は?

塔の上から吹き出す炎については、構造上メンテナンスや耐久性、安全性が特に重視されています。装置はコンパクトかつ軽量で、風圧などの外的要因を受けにくい設計がなされています。

風の強い日や湿度の高い日には自動的に炎の高さや出力が制限されるようになっており、天候に応じた演出調整がリアルタイムで行われています。このような高精度の技術は、大手パイロ企業によるカスタム製作によるものである可能性が高いです。

安全管理とディズニーの特殊効果技術

ディズニーでは、ショーに関わるすべての特殊効果に対して厳格な安全基準が設けられており、炎演出においてもその例外ではありません。装置には複数のセンサーが設置され、異常を検知すると即時に停止する仕組みが備わっています。

また、特殊効果の運用は「テクニカルエンターテインメントチーム」と呼ばれる専門部署によって運用され、ショーごとに事前点検・リハーサル・運転記録の記録などが徹底されています。

まとめ:舞台裏に宿る魔法の炎

「Reach for the Stars」で使用されている炎演出は、ただの視覚効果ではなく、精密なテクノロジーと高い安全基準によって支えられています。使用されている機械の正確なメーカー名は公表されていないものの、世界中の特殊効果業界で信頼される企業が関わっていることは間違いありません。

次にショーを観るときは、舞台裏の技術者たちの努力や、装置一つひとつの精巧な働きにもぜひ思いを馳せてみてください。それが、ディズニーが作り出す“魔法”のもう一つの側面なのです。

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