なぜ路線バスにはシートベルトがないのか?その理由と安全対策を解説

バス、タクシー

現代の交通安全意識の高まりにより、自動車におけるシートベルトの着用は当たり前となっています。しかし、路線バスに乗車するとシートベルトが設置されていないことに気づく方も多いのではないでしょうか。この記事では、路線バスにシートベルトがない理由と、その安全対策について詳しく解説します。

路線バスにシートベルトがない理由

路線バスにシートベルトが設置されていない主な理由は、法律上の義務がないためです。日本の「道路運送車両の保安基準」第22条の3では、乗車定員が11人以上の路線バスには、運転席およびその隣の座席以外にシートベルトの設置義務がないと定められています。これは、路線バスが主に一般道を低速で運行し、乗客の乗降が頻繁であることから、シートベルトの着用が現実的でないと判断されているためです。

また、路線バスでは立ち乗りが許容されており、混雑時には多くの乗客が立って乗車します。このような状況で全ての座席にシートベルトを設置し、着用を義務付けることは、運行の効率性や乗客の利便性を損なう可能性があります。

高速バスや貸切バスとの違い

一方で、高速バスや貸切バスでは、シートベルトの設置と着用が義務付けられています。これらのバスは高速道路を走行することが多く、事故時の被害が大きくなる可能性があるため、乗客の安全確保がより重要視されています。特に、2016年に発生した長野県軽井沢町でのスキーバス事故を受けて、国土交通省はバス事業者に対し、シートベルトの着用を促すアナウンスや、シートベルトの常時使用可能な状態の維持を徹底するよう指導しています。

路線バスでの安全対策

シートベルトが設置されていない路線バスでも、乗客の安全を確保するための対策が講じられています。例えば、急ブレーキや急停車時の衝撃を軽減するために、座席の背もたれには緩衝材が使用されています。また、車内にはつり革や手すりが設置されており、立ち乗りの乗客がしっかりとつかまることで、転倒や怪我のリスクを減らすことができます。

さらに、運転手は発進や停車時に注意を促すアナウンスを行い、乗客に対して安全な姿勢を保つよう呼びかけています。乗客自身も、走行中は座席に深く腰掛け、立っている場合はしっかりとつり革や手すりを握るなど、安全意識を持つことが重要です。

今後の展望と課題

近年、交通事故のリスクをさらに低減するため、路線バスにもシートベルトを導入すべきだという意見もあります。しかし、現実的には、乗降の頻度や立ち乗りの存在など、路線バス特有の運行形態を考慮すると、全ての座席にシートベルトを設置し、着用を義務付けることは難しいとされています。

そのため、今後は技術の進歩により、より安全性の高い車両設計や、乗客の安全意識の向上を図ることが求められます。また、バス事業者や行政機関は、引き続き安全対策の強化と、乗客への啓発活動を行っていく必要があります。

まとめ

路線バスにシートベルトが設置されていないのは、法律上の義務がなく、運行形態や利便性を考慮した結果です。しかし、乗客の安全を確保するための対策は講じられており、乗客自身も安全意識を持つことが重要です。今後も、安全性と利便性のバランスを考慮しながら、さらなる安全対策の強化が期待されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました