「愛犬と一緒に旅行を楽しみたい」と考える飼い主は年々増加しています。とはいえ、飛行機に乗せるとなると「どこに預けられるのか」「フライト中の安全性」「食事やトイレはどうするのか」など、不安も尽きないのが正直なところ。この記事では、ペットと飛行機に乗る際のルールや準備、注意点について、国内線と国際線の違いも含めて詳しく解説します。
基本ルール|ペットは機内か貨物室かで対応が異なる
まず理解しておきたいのは、ペットの搭乗方法には大きく分けて「機内持ち込み」と「受託手荷物(貨物室預け)」の2通りがあるということです。
小型犬や猫であれば、航空会社によっては機内にキャリーで持ち込むことができますが、中型犬以上のサイズになると原則として貨物室に預けることになります。
たとえばANAやJALなどの国内大手航空会社では、小型犬は専用ケージに入れて貨物室に預ける形式を採用しています。貨物室といっても動物専用区画で温度や気圧が管理されており、スーツケースと同じ場所ではありません。
国際線のルールは航空会社と渡航国によって異なる
国際線の場合はさらに注意が必要です。国や地域によって動物検疫の規定が厳しく、事前にマイクロチップの装着や狂犬病予防接種、健康証明書などの書類提出が求められます。
また、多くの国際線では機内持ち込みは原則NGで、すべて貨物室での輸送になります。特に8時間以上のフライトでは、ケージの中で長時間過ごす必要があるため、事前のトレーニングやストレスケアが重要です。
一例として、ヨーロッパ諸国ではEUの規則により、ペットパスポートや輸送事前申請が義務づけられています。申請のタイミングが遅れると搭乗拒否となるケースもあるため要注意です。
貨物室=スーツケースと同じ空間ではない
「貨物室に入れられる=スーツケースと一緒に雑に扱われるのでは?」という心配をする人も多いですが、ペット専用区画は人間が乗る客室とほぼ同じ環境に調整されています。
JALやANAの公式発表によると、ペット専用スペースは約15℃〜25℃の温度管理がされており、換気や気圧も人と同等に保たれるとのこと。ただし騒音や振動は客室より大きいため、普段から音に敏感な犬の場合は対策が必要です。
ペットを預ける際は、航空会社が指定するハードタイプのケージに入れ、ケージの中にはタオルやお気に入りの匂いのあるブランケットを入れてあげると安心感が増します。
長時間フライト時の食事・トイレ・体調管理について
8時間以上のフライトでは、食事・排泄・水分補給などの不安がつきものですが、基本的にフライト中はケージを開けることはできません。そのため、搭乗前に十分に運動と排泄を済ませておくことが重要です。
食事はフライトの数時間前に済ませ、水分も控えめにしておくのが一般的な推奨です。長時間の移動に備えて、ケージ内にはペットシーツや吸水シートを敷いておくと安心です。
また、過去に飛行機酔いやストレス症状が出た犬には、かかりつけの獣医師と相談して、軽い鎮静剤やサプリメントを使用するケースもあります。
愛犬と安全に旅するための事前準備リスト
- 航空会社ごとのペット規定を必ず確認
- 予約前に「ペット輸送可能便」であるかをチェック
- 健康診断・ワクチン・マイクロチップの準備
- ケージトレーニング(最低2週間前から)
- 搭乗直前の排泄と軽い運動
- ケージ内の快適グッズ(タオル・おもちゃなど)
このような準備をしっかり行うことで、愛犬にとっても飼い主にとっても快適な空の旅に近づけます。
まとめ|愛犬との空の旅は「情報と準備」がカギ
飛行機でのペット同伴旅行は、ルールや安全面で不安があるものの、正しい知識と十分な準備をすれば実現可能です。貨物室輸送はスーツケースと同じではなく、犬専用の配慮がなされているため、心配しすぎる必要はありません。
愛犬との旅は一生の思い出になるはず。まずは小さな移動から慣れさせて、徐々に距離を広げていくのもおすすめです。各航空会社の最新情報や獣医師のアドバイスを参考に、安全で楽しいペット旅行を実現しましょう。

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