飛行中の旅客機で「ドアが開いた」というニュースを見て驚かれる方も多いでしょう。しかし、実際の航空機の設計は非常に安全に作られており、簡単にドアが開いてしまうような構造にはなっていません。今回は、飛行中の飛行機で本当にドアを開けることができるのか?その仕組みと安全性について詳しく解説します。
飛行中にドアは物理的に開けられるのか
まず結論から言うと、高度1万メートル前後を飛行している航空機のドアは物理的に開けることは不可能です。これは機体の内外で発生している「気圧差」が関係しています。
通常、飛行機の機内は高度約2,000メートル相当の気圧に保たれていますが、外部は約1万メートル。気圧差はおよそ0.7気圧もあり、その力はドア1枚あたり数トンから10トン以上にも及ぶことがあります。
たとえば、1.5m四方のドアであれば、外に押し開けるには約7トンの力が必要になる計算です。つまり、人力で開けるのは絶対に不可能なのです。
航空機のドアの構造とロック機能
旅客機のドアは「プラグドア」と呼ばれる構造になっています。これは、ドアの外縁が機体の開口部よりもわずかに大きく作られており、機内の圧力によってドアが機体に密着する構造です。
この構造により、内圧が高い状態(飛行中)ではドアが機体に押しつけられ、開けることはできません。さらに、電気的・機械的なロック機構によって、離陸後に自動的にドアはロックされる仕組みとなっており、客室乗務員ですら開けられないようになっています。
報道される「ドアを開けようとした」事件の真相
ニュースで「飛行中にドアを開けようとした乗客がいた」と報じられることがありますが、これはあくまで“開けようとした”だけで、実際に開いたわけではありません。
たとえば2023年に韓国のアシアナ航空で「着陸直前にドアが開いた」という事案が話題になりましたが、これは機体の高度が非常に低く、気圧差が小さい状態で発生した極めて稀なケースです。通常の巡航中には起こりえないことです。
緊急脱出スライドや非常ドアの扱い
飛行機のドアには「非常口」もあり、緊急時には手動で開けて脱出スライドが展開されますが、これも乗務員の操作手順に基づいて慎重に扱われるものです。
また、非常口席に座る乗客には、事前にドア操作の説明がされますが、それはあくまで地上での脱出補助を目的としており、飛行中には操作できないようになっています。
航空機の安全性と乗客の安心
飛行機は世界で最も安全な交通機関の一つとされています。各国の航空当局が厳しく安全基準を定めており、定期的なメンテナンスやパイロットの訓練、そして安全装置の導入によって、非常に高い安全性が保たれています。
「ドアが開く」という不安を持つ必要はなく、旅客機に乗る際は安心して搭乗してよいのです。万一、何か異常な行動をする乗客がいても、機内では乗務員や他の乗客がすぐに対応する仕組みも整っています。
まとめ:飛行中のドアは開かない設計だから安心
飛行機が飛行中にドアが開いてしまう心配は不要です。気圧差と構造的な安全設計、ロック機構によって、ドアはしっかりと閉じられており、人の力では開けることができません。報道などで不安になることもあるかもしれませんが、正しい知識を持って安心して空の旅を楽しみましょう。


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