近年、衛星通信技術の進展により、海上でもスマートフォンが通信可能な環境が整いつつあります。特に、KDDIが提供する「au Starlink Direct」や、フェリーでのWi-Fiサービスの導入が注目されています。この記事では、これらのサービスの概要と、実際のフェリーでの接続状況について解説します。
au Starlink Directの概要
「au Starlink Direct」は、KDDIが提供するサービスで、auのスマートフォンがSpaceXのStarlink衛星と直接通信することで、地上の基地局が圏外のエリアでも、テキストメッセージの送受信や位置情報の共有、緊急速報メールの受信が可能となります。対応機種はiPhone 16シリーズやPixel 9シリーズなどで、申し込み不要で利用できます。
このサービスは、日本全国および領海(海岸線から約22km)内で、auの5G/4G LTEエリア外かつWi-Fiの通信範囲外で、空が見える場所で利用可能です。つまり、海上でも条件が整えば通信が可能となります。
フェリーでのWi-Fiサービスの導入
KDDIと株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、Starlinkを活用した高速インターネット通信「フェリーWi-Fi」を提供しています。新日本海フェリーの「らべんだあ」や「東京九州フェリー」の「はまゆう」などで、最大220Mbpsの高速通信が可能です。auユーザーは無料で利用でき、その他の利用者は24時間あたり1,500円で利用できます。
利用可能な場所は、エントランスホールやレストランなどの一部パブリックスペースに限られますが、海上でのインターネット利用が可能となることで、船旅の快適性が向上しています。
実際の接続状況と注意点
「au Starlink Direct」は、海上でも空が見える場所であれば通信が可能ですが、天候や遮蔽物の影響を受ける場合があります。また、利用できるのはテキストメッセージの送受信や位置情報の共有などに限られ、音声通話やデータ通信は利用できません。
一方、フェリーでのWi-Fiサービスは、特定の船舶やエリアに限定されており、利用可能な時間や場所に制限があります。また、利用者が多い場合や天候の影響により、通信速度が低下する可能性もあります。
まとめ
海上での通信環境は、衛星通信技術の進展により改善されつつあります。「au Starlink Direct」やフェリーでのWi-Fiサービスを活用することで、海上でも一定の通信が可能となります。ただし、利用には条件や制限があるため、事前にサービスの詳細を確認し、必要に応じて準備を行うことが重要です。


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