東南アジアの物価上昇がもたらす旅行トレンドの変化と日本人観光客の今後

海外

東南アジアといえば、これまで多くの日本人旅行者にとって「安くて近くてリゾート感満載」の定番エリアでした。しかし近年、各国の急速な経済成長とインフレにより物価が上昇し、かつてのような「激安旅行先」とは言えなくなってきています。こうした変化は、観光行動にも影響を与え始めています。

東南アジアの物価は確実に上がっている

タイやベトナム、インドネシアなどでは、特に都市部を中心に物価上昇が顕著です。たとえば2024年のバンコクでは、飲食店の価格が日本の地方都市とほぼ同等、あるいはそれ以上という声も聞かれます。

ホテルの価格やツアー料金も以前ほどの割安感はなく、リピーターの中には「もうお得ではない」と感じる人も出始めています。現地の最低賃金や家賃の上昇がその背景にあります。

国内旅行へ目を向ける日本人旅行者

こうした物価上昇を受け、これまで東南アジアに行っていた層が国内旅行にシフトしている傾向も見られます。特にコロナ禍以降、地方自治体による旅行支援策や新しい観光資源の整備も後押しとなり、温泉地や離島、古民家滞在などの人気が再燃しています。

たとえば、北海道の富良野や沖縄・石垣島などは「海外よりコスパがいい」と評されることもあります。

飛行距離と時間が障壁に

東南アジアの国々は概ね日本から5〜7時間のフライト距離にあります。物価上昇に加えて、燃料サーチャージや航空券の高騰、入国手続きの煩雑化が、短期旅行者にとって負担に感じられる要因となっています。

これが「ちょっと気軽に週末海外」というニーズに合わなくなり、近場で完結できる国内旅行への回帰を促しているとも言えるでしょう。

観光客数の推移と今後の動向

実際、観光庁やJETROの統計でも、2023〜2024年の日本人の海外旅行者数はコロナ前より明らかに低水準にとどまっています。東南アジアにおける日本人観光客の比率も減少し、中国・韓国・欧米圏からの観光客が主流になりつつあります。

このまま物価の上昇が続き、日本との価格差が縮まる、あるいは逆転する状況になれば、東南アジアはもはや「格安旅行先」とは見なされなくなるかもしれません。

それでも東南アジアを選ぶ理由とは

とはいえ、物価上昇があっても東南アジアには「文化的魅力」「気候」「食」「人の温かさ」といった固有の魅力があります。短期旅行ではなく、現地生活を体験するようなスタイルで訪れる旅行者には引き続き根強い人気があります。

また、LCCやプロモーションセールを活用すれば、依然としてリーズナブルな旅を実現できる可能性も十分にあります。

まとめ:旅行先の再評価が進む中での東南アジアの位置づけ

物価の上昇や旅行コストの変化を受け、旅行者の意識は「本当に価値ある体験ができるかどうか」へとシフトしています。東南アジアが以前のように「安さ」が最大の売りではなくなる中でも、その土地ならではの魅力をうまく発信できれば、今後も旅行先として選ばれ続けるでしょう。

日本人旅行者にとっても、改めて「どこに行くか」ではなく「なぜ行くか」が問われる時代に入っているのかもしれません。

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