新型コロナウイルスは世界中の経済に大きな影響を与えましたが、その中で企業の対応力によって明暗が分かれた事例が数多くあります。特にディズニーのようなエンターテインメント企業は、来園者が激減する中でも株価を回復させることに成功しました。本記事では、そうした企業の対応と背景に迫ります。
パンデミックによる経済への影響
2020年初頭に始まったパンデミックは、多くの業界に未曾有の打撃を与えました。特に飲食業、観光業、イベント産業は外出制限により収益が激減し、倒産する企業も後を絶ちませんでした。
一方で、テレワークの普及や巣ごもり需要によって成長を遂げた分野もあり、IT、EC、オンラインエンタメは急成長を遂げることになりました。
ディズニーの事例:来園者減でも業績回復
ディズニーはテーマパーク事業の一時閉鎖により、一時的に大きな収益減を経験しました。しかし、その裏でDisney+という動画配信サービスの拡大戦略を加速。これが功を奏し、オンライン収益の増加が企業全体の業績を下支えしました。
例えば2020年11月時点で、Disney+の会員数は1年足らずで7300万人を突破し、ストリーミングサービスの収益が業績をけん引するようになりました。
対応力の差が企業価値に直結した
ディズニーのように、柔軟な事業転換や新規サービス展開を素早く実行できた企業は、投資家の期待を集め株価も回復・上昇しました。これは、単に「来園者がいなくても関係ない」というわけではなく、代替となるビジネスモデルをいかに素早く構築できるかが重要だったということです。
一方で、旧来の事業に固執し対応が遅れた企業は、業績回復の兆しを見せられず株価も低迷するケースが多く見られました。
他の成功企業の例
アマゾンやNetflixなども同様に、巣ごもり需要の追い風を受けた企業です。前者は物流体制の強化と雇用拡大、後者は独自コンテンツの配信強化によって顧客基盤を広げ、株価は堅調に推移しました。
また、Zoomなどのリモートコミュニケーションツールを提供する企業も、パンデミックにより一気に需要が増え、急成長を遂げました。
投資家心理と株価の関係
株価は将来の期待値を織り込んで変動します。ディズニーのように、「今は厳しいが今後成長が見込める」と判断された企業は、実際の収益に先んじて株価が上がることがあります。これは株式市場の特徴の一つです。
そのため、パンデミック下で株価が上がった企業は、実際には先行投資や施策への期待が反映された結果とも言えます。
まとめ:変化に強い企業が生き残る時代
コロナ禍は、企業の真の対応力や経営戦略の巧拙が試された局面でした。来園者のいないテーマパークでも収益を生み出せる構造を構築できたディズニーのような企業は、むしろパンデミックを契機に進化を遂げたといえるでしょう。
今後の投資先や企業選びでは、柔軟性とイノベーションの姿勢があるかどうかが一層重要な指標となりそうです。


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