カーナビのなかった昭和時代のドライブ事情とは?紙の地図とラジオに頼った旅の魅力

車、高速道路

今では当たり前になったカーナビやスマートフォンのナビアプリ。しかし昭和のドライブでは、まったく違うスタイルで旅が行われていました。この記事では、昭和時代のドライブ事情や当時の人々がどのように情報を集め、目的地を目指していたのかを詳しく紹介します。

紙の地図が頼りだった時代

昭和のドライブにおける最大の味方は「紙の地図」でした。特に人気があったのが、昭文社の『マップル』シリーズや『JAFロードマップ』です。これらは全国の高速道路・一般道・観光スポット・ドライブイン・ガソリンスタンドなどが詳細に記載されており、多くのドライバーが助手席に広げて活用していました。

目的地を決める際は、地図にマーカーで印をつけたり、ページ端に書かれた索引番号で他ページにジャンプするなど、アナログながら工夫されていました。

交通情報はラジオでチェック

今のようにリアルタイムで渋滞情報が表示されるナビはありませんでした。そのため、ドライバーはAMラジオやFM放送の交通情報をこまめに聞いて、渋滞回避ルートを検討していました。

とくに日本道路交通情報センター(JARTIC)が提供する交通情報は信頼されており、「首都高速○号線渋滞◯km」などの情報が数十分おきに流れていました。

ドライブインとガソリンスタンドの探し方

今のようなコンビニエンスストアやチェーンの道の駅がない時代、多くのドライバーが利用していたのが「ドライブイン」です。紙の地図には「休憩所」や「食事可」などの記号が記載されており、それを頼りに立ち寄る場所を選びました。

また、ガソリンスタンドも地図にアイコン表示されていたため、給油のタイミングを地図上で計算するのが常識でした。特に地方では24時間営業が少なかったため、事前の計画が非常に重要でした。

ドライブの情報源は書店とTV

「ドライブコースガイド」や「るるぶ」、「じゃらん」などのムック本が書店で販売され、これらを活用してルートや観光地の情報を調べました。また、テレビでも『遠くへ行きたい』『ぶらり途中下車の旅』などの旅番組がドライバーに人気でした。

これらの情報を家族で相談しながらルートを決めるのも、昭和ドライブの醍醐味でした。

助手席の役割が重要だった

助手席の人が「ナビゲーター」の役割を果たしていたのも昭和の特徴です。地図を開いて道を案内し、「次の交差点を右!」とタイミングを伝えるのは助手席の大事な役目でした。

誤って通り過ぎてしまったり、ページを間違えたりといった“トラブル”もありましたが、それもまた楽しい思い出になっていたようです。

まとめ:不便だからこそ、思い出に残る昭和のドライブ

現代のような便利さはなかったものの、昭和のドライブには紙地図を広げて計画を立て、音楽やラジオを聞きながら走るというアナログならではの魅力がありました。不便さの中に生まれる工夫や家族・仲間との会話こそが、当時のドライブの醍醐味だったのかもしれません。

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