パスポート申請は原則として本人が行うものですが、事情により家族などが代理で申請することも可能です。特に成人した子どもが学生で実家に住民票を残したままの場合、親が代理で申請を行うケースも少なくありません。この記事では、代理申請のポイントや署名、委任状の扱いについて、具体的な流れとともに解説します。
代理申請は可能?その条件とは
日本のパスポート申請制度では、やむを得ない事情がある場合に限り、代理人による申請が認められています。たとえば遠方で本人が来庁できない場合、保護者や家族が申請することが可能です。ただし、「申請」は代理で可能でも、「受け取り」は必ず本人が行う必要があります。
申請時には本人の署名が必要な書類もあるため、単に「親が行けば済む」わけではないことを認識しましょう。
署名はいつ必要?パスポートへの転記欄の扱い
現在のパスポート申請書では、本人署名欄があります。これはパスポートにそのまま転記される重要な情報です。そのため、署名は申請時に提出する書類にすでに記入されている必要があります。
つまり、本人があらかじめ署名を済ませた申請書を用意し、代理人がそれを提出するのが正しい流れとなります。
委任状の取り扱いと記載例
代理申請を行うには、本人の自筆による委任状が必要です。この委任状には、「パスポート申請を○○(親の氏名)に委任する旨」を明記し、日付・本人署名を記入します。市区町村のパスポート窓口や外務省のサイトでも様式が紹介されています。
実際の例:
「私は、下記の者にパスポート申請に関する一切の手続きを委任します。
委任者:山田太郎(本人)
受任者:山田花子(母)
2025年6月4日 署名:山田太郎」
マイナポータルと紙申請の違い
スマートフォンとマイナンバーカードを活用した「マイナポータル」からの申請も可能ですが、代理申請の場合は原則「窓口での紙申請」が基本です。本人のマイナカードをスマホで読み取る必要があるため、代理人がそれを代行するのは現実的ではありません。
今回のようにスマホが非対応であっても、紙申請で問題ありません。ただし、本人がスマホで申請する場合は、マイナンバーカードと暗証番号が手元に必要になります。
書類のやり取りと郵送の工夫
本人に署名欄を記入してもらい、委任状を含めた一式を返送してもらう方法が最も確実でおすすめです。時間に余裕をもって郵送するのが良いでしょう。
送付の際は、レターパックや簡易書留など追跡可能な方法を選ぶと安心です。
一度に申請書・写真・委任状を送付し、署名後に返送してもらえば、親はそのまま提出に行くことができます。
まとめ
成人した別居の子どものパスポート代理申請には、本人の署名済み申請書と自筆の委任状が必要です。スマホ申請が難しい場合でも紙での申請は問題なく行えます。確実に進めるには、書類をやり取りする時間を見込み、余裕を持って準備を進めましょう。手間はかかりますが、正確な手続きを踏めばスムーズに申請できます。


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