特急「つばさ」とキハ181系:気動車時代を代表する高性能ディーゼル特急の実力とは

鉄道、列車、駅

かつて山形新幹線開業前の奥羽本線を駆け抜けていた特急「つばさ」は、非電化区間で運行される列車としてディーゼル特急「キハ181系」が活躍していました。その性能や実力は、当時の鉄道技術の粋を集めたものでした。この記事では、鉄道ファンの記憶に残るキハ181系「つばさ」の魅力と性能を紐解きます。

キハ181系とはどんな車両だったのか

キハ181系は、1968年に登場した国鉄の高出力ディーゼル特急形車両です。非電化区間においても電車に劣らないスピードと快適性を実現するために開発されました。主に山岳路線や長距離特急に投入され、数々の特急列車で使用されました。

その特徴として、DMH17Hエンジンを2基搭載し、1両あたりの出力は600馬力×2の1,200馬力という当時としては高出力。急勾配や長大トンネル区間でも安定した走行性能を誇りました。

特急「つばさ」での運用と性能の評価

1975年から「つばさ」にはキハ181系が投入され、特に福島〜秋田間の急勾配区間での走行安定性が高く評価されていました。山形県内の奥羽山脈越えなど、通常の車両では性能が不足する区間でも力強く走行。

当時の時刻表では、福島〜山形間を約1時間弱で走破するなど、高速性にも優れていました。冷暖房完備、リクライニングシート、サロン付きグリーン車など、快適性の面でも当時の最先端仕様でした。

運転士や乗客からのリアルな声

元国鉄の運転士からは「パワーがあるぶん重くて加減速は鈍いが、粘り強さは一級品」との評価が多く、特に雪国の過酷な条件下で信頼されていました。また乗客からは「エンジン音が力強く、旅情があった」と好意的な声が多数。

例えば、冬の雪の中を走るキハ181系に乗った経験を語る鉄道ファンは「エンジンのうなりが雪原に響いていたのが忘れられない」と振り返ります。

電化・新幹線化による終焉とその後

1992年の山形新幹線開業により「つばさ」は新幹線に移行し、キハ181系の運用は終了しました。その後も一部の列車で使用されましたが、2002年には完全に引退。

現在では鉄道博物館やイベント列車で一部保存されていますが、定期運用での姿を見ることはできません。しかし、その存在感と性能は鉄道史にしっかりと刻まれています。

現代の視点で見たキハ181系の価値

今の基準から見ると騒音や燃費の面で劣る部分もありますが、当時の非電化区間で都市間輸送の主力として活躍したその実力は評価に値します。

気動車でありながら時速120km運転を実現し、特急型車両として全国の主要路線を支えた功績は、現代の電車特急にもつながる重要な足跡です。

まとめ:キハ181系「つばさ」は名実ともに高性能の名車

特急「つばさ」で活躍したキハ181系は、パワー・走行性能・快適性を兼ね備えた当時最高峰の気動車でした。現在では見られないその雄姿に、今も多くの鉄道ファンが魅了されています。日本の鉄道史を語るうえで、外せない名車のひとつといえるでしょう。

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