海外移住を考える際に「医療費の安さ」と「生活のしやすさ」は重要な判断基準となります。特に持病がある場合、医療体制の整備や費用面の負担が大きな影響を与えます。今回は、移住先として注目されることのあるグリーンランドの現状を紹介しながら、医療費が比較的安く、移住しやすい国の特徴についても考察します。
グリーンランドの基本情報と移住の現実
グリーンランドはデンマーク領の自治政府を持つ地域で、極寒の気候と雄大な自然が特徴です。主にイヌイット文化を背景に持ち、人口はわずか56,000人程度と非常に少なく、医療や教育などの公共インフラは大都市ほど整っていません。
医療はデンマークの制度の一部として提供され、基本的には無料ですが、専門的な治療が必要な場合は本土のデンマークへの移送が行われることがあります。移住者に対する医療保障は限られており、デンマーク国籍を持たない場合は手続きや費用負担が大きくなるケースもあるため注意が必要です。
医療費の安い国とは?
医療費が安いことで知られる国は複数ありますが、以下の国々は移住者から特に人気です。
- タイ:私立病院でも比較的安価で高水準の医療が受けられ、英語対応も充実。
- ポルトガル:公的医療制度があり、在住者には低コストで診療が提供されます。永住権取得のハードルも低め。
- メキシコ:公的・私的保険制度が整っており、診察費用が数百円~数千円程度で済むことも。
- マレーシア:医療ツーリズムが盛んで、外国人向けのサービスも発展。
医療と移住ビザの関係性
医療費が安い国であっても、現地で公的医療制度を利用するには「在留資格(ビザ)」が必要です。観光ビザでは医療保険適用外となるため、長期滞在を希望する場合は以下のようなビザ取得が現実的です。
- リタイアメントビザ(例:タイ、マレーシア)
- デジタルノマドビザ(例:ポルトガル)
- 居住者ビザ(例:メキシコのテンポラルビザ)
また、多くの国で「民間の海外旅行保険や健康保険の加入」が条件となっています。
持病がある場合に重視したい点
持病を抱えている場合は、以下の3点を必ずチェックしましょう。
- 専門科の有無:現地に専門医や高度医療設備があるかどうか。
- 継続処方の可否:日本で受けていた治療を現地で継続できるか。
- 言語対応:医師や看護師が英語や日本語での対応が可能か。
実際に、糖尿病の方がタイの私立病院で月1回の診察と薬の処方を受けている例もあり、1回あたりの費用は日本の保険診療と同等またはやや安い水準にとどまります。
まとめ:医療と生活コストのバランスで考える移住戦略
グリーンランドは魅力的な自然環境を持つ一方で、医療体制や生活インフラが限られており、特に健康面に不安がある方には慎重な判断が求められます。
一方で、医療費が安くかつ移住しやすい国としては、タイ・ポルトガル・メキシコ・マレーシアなどが候補になります。ビザ要件や保険加入、語学の壁なども踏まえ、現地の情報を正確に収集しながら、最適な移住先を見つけましょう。

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