営業運転終了後も活躍!訓練車として残された名列車たちの記録

鉄道、列車、駅

鉄道ファンの間では、営業運転を終えた車両が“訓練車”として現役を続ける事例が注目されています。引退後もその姿をとどめ、乗務員教育や設備確認などで使用されてきた名車両たち。この記事では、全国で訓練用として活躍を続けた車両たちを、具体的な事例を交えてご紹介します。

訓練車とは何か?役割と活用目的を知る

訓練車とは、主に乗務員や保守作業員の訓練・研修に使用される車両のことです。営業運転を終了した列車を再活用する形で配置されることが多く、運転士の技能向上や非常時の対応訓練、構内運転技術の習得などに役立てられています。

形式上は「クモヤ」「クル」「クハ」などの種別記号を用いることが多く、外見は旧形式そのままでも内部に機器改修が施されているケースも少なくありません。

485系:勝田車両センターで訓練車に転用

特急型車両の名車として知られる485系は、営業運転終了後も一部編成がJR東日本の勝田車両センターで訓練車として使用されました。車体色も原型に近い姿を残しつつ、一部車両には“訓練車”の表記が追加されていました。

主に常磐線や水戸線の構内での訓練走行に用いられ、地域乗務員の習熟運転に役立てられていました。鉄道イベント時には展示されることもあり、多くのファンにその姿を披露しました。

0系新幹線:新下関での静かな役目

2008年に営業運転を終了した0系新幹線も、一部がJR西日本の新下関駅構内で訓練車として残存しました。特に分岐器や保守作業訓練の教材として使用され、保守技術者の実地訓練の場となっていました。

外観は0系の特徴的な丸いノーズを残しつつ、内部には訓練機材や計測装置が設置されていた例もあります。保存目的ではなく実働車として残されていたことに、往年のファンから注目が集まりました。

115系:新前橋で活躍した大型ヘッドライト車

115系の中でも大型ヘッドライトが特徴的な編成が、JR東日本の新前橋運輸区で訓練車として活用されていました。外観は営業時代をほぼそのまま維持しており、車番や前面デザインから「アレは○○編成だ」と識別するファンも多かったようです。

運転士見習いのブレーキ操作訓練や、構内での信号確認、列車留置時の操作など、実践的な場面で日々使用されていました。

その他の訓練車両:知られざる名車のセカンドキャリア

上記のほかにも、全国には以下のような訓練車両が存在します。

  • クモヤ145形(JR西日本):訓練車や牽引車として広範囲で活躍
  • E127系(長野地区):試運転用として転用されるケースあり
  • キヤ95系「ドクター東海」:検測用途と訓練を兼ねる存在

多くの鉄道車両が廃車される中で、訓練車として第二の人生を歩むこれらの車両は、技術継承という意味でも重要な存在です。

まとめ:引退後も現場で活躍する鉄道車両たち

営業運転を終えても、そのまま引退するとは限らないのが鉄道車両の奥深さ。訓練車という形で現場を支え続ける車両たちは、鉄道の安全運行や技術継承に不可欠な存在です。かつて乗ったあの列車が、今も別の形で活躍している――そんな事実を知ると、より一層鉄道の魅力を感じられるかもしれません。

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