都市開発の中でも「地下街」は大都市の専売特許と思われがちですが、実は政令指定都市でも東京23区でもない甲府市に準地下街が存在します。この珍しい都市構造には、地域の歴史や地理的要因が深く関係しています。
甲府市に存在する準地下街とは?
甲府駅南口にある「ココリ地下街」などがその代表例です。地下1階というよりは地表に近い半地下構造で、いわゆる「準地下街」と呼ばれています。飲食店や土産物店、地下通路としての役割を持ち、駅利用者や観光客の導線となっています。
このような準地下街は、通常の地下街とは異なり、完全に地下に埋まっているわけではなく、地形の高低差や建築物の設計により「半地下」のような形状をしています。
準地下街が政令指定都市に集中する理由
地下街の整備には多額の費用がかかるため、大規模な人口と財源、利用者数が見込める政令指定都市や首都圏に集中するのが一般的です。また、都市計画や地下鉄の敷設などとセットで開発されるケースも多く、これも大都市に限られる要因です。
例えば、大阪の「ホワイティうめだ」や名古屋の「サンロード」などは、地下鉄や私鉄の駅と直結しており、日常的な利用が前提とされています。
なぜ甲府市にだけ存在するのか?
甲府市の準地下街は、実は1980年代の再開発事業の一環として整備されたもので、地元経済の活性化と観光客への利便性を目的としていました。山梨県庁所在地としての地域的中心性を考慮し、地方都市でも珍しく大規模な都市整備が行われたのです。
また、地盤が比較的安定しており、地下水位も高すぎないという地理的条件が、地下施設の整備に向いていたことも一因とされています。
地元主導の都市開発が鍵
甲府市のような中規模都市では、国や都道府県主導ではなく、地元自治体や商工会議所の強い要望や働きかけによって準地下街のような施設が実現するケースがあります。甲府市も例外ではなく、商店街連合会や観光協会の構想が形になったとされています。
このようなケースは全国的にも珍しく、甲府の準地下街はまさに地元のニーズと熱意が生んだ産物だと言えるでしょう。
他の中小都市に地下街が少ない理由
地方都市では、地価がそれほど高くなく、地上に空きスペースがあるため、地下開発の必要性が低い傾向があります。また、採算が取れないリスクも高く、国の補助金なしには実現が難しいため、実行に移されないのが現状です。
さらに、都市構造上も平地が多く、地下通路や避難路としての機能よりも、地上の利便性を優先する地域が多いのも一因です。
まとめ:甲府市の準地下街は地方都市の都市開発の一例
甲府市の準地下街は、地理的条件と地域の熱意が結実した珍しい都市空間です。政令指定都市や東京23区以外でこのような施設が存在するのは稀であり、都市計画の自由度や発想の豊かさを示す良い事例となっています。他の地方都市でも、このような柔軟な開発が地域活性化の一助になるかもしれません。


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