鳩サブレーの豊島屋と東京・豊島区の関係とは？名前の由来と歴史を探る

明治時代から鎌倉土産として愛される「鳩サブレー」。その製造元である「豊島屋（としまや）」という店名を見て、「東京の豊島区と関係があるの？」と感じた方もいるのではないでしょうか。この記事では、鳩サブレーを製造する豊島屋の由来や歴史、そして東京・豊島区との関係について詳しく解説します。

豊島屋の起源と名前の由来

鳩サブレーで知られる豊島屋は、1894年（明治27年）に神奈川県・鎌倉で創業しました。創業者は久保田久次郎氏。名前の「豊島屋」は、創業者の祖先が江戸時代に「豊島屋」という屋号で商いをしていたことにちなんでつけられたもので、土地名とは無関係です。

つまり、店名は家系・屋号の継承に由来しており、地理的な「豊島区」との関連性はありません。

東京の豊島区（としまく）は、旧・豊島郡に由来し、現在の池袋や目白などを含むエリアです。こちらの「豊島」という地名は、中世から存在する土地名が起源とされています。豊島屋との接点はありません。

つまり、両者は同じ「豊島」の文字を使っているものの、成立背景もルーツも異なります。

インターネット検索やSNSでは、「豊島屋＝豊島区にある和菓子店」と誤解されることもあるようです。しかし、豊島屋は鎌倉市小町に本店を構える老舗和菓子店であり、東京の豊島区とは地理的にも業態的にも直接のつながりはありません。

例を挙げると、豊島区には「東武百貨店池袋店」などのスイーツ店はありますが、豊島屋の直営店は存在していません。

豊島屋は鎌倉のシンボル的な存在であり、鳩サブレーのモチーフも鶴岡八幡宮との関係に由来しています。店舗展開も神奈川県内が中心で、観光地鎌倉と共にブランドを形成しています。

また、鳩サブレーの「鳩」は平和の象徴でもあり、鶴岡八幡宮の神の使いとされていることから、鎌倉との文化的背景が商品に反映されています。

「豊島屋」と「豊島区」は、漢字こそ同じですが、まったく関係のない由来を持っています。鳩サブレーを生んだ豊島屋は、鎌倉の伝統を受け継ぐ和菓子店であり、東京・豊島区とは無関係です。店名の由来は家系の屋号にあり、明治時代から受け継がれる格式あるブランドとして親しまれています。

名前が似ているからこその誤解ですが、実際には異なる背景を持つことを知ると、豊島屋というブランドの歴史的価値にもより深く触れることができます。