マリントラフィックに“幽霊船”?さんふらわあにしきのAIS位置情報と解体後表示の謎を検証

フェリー、港

多くの人が趣味や船旅で使うMarineTrafficアプリで「さんふらわあにしき」が解体後も関西方面へ向かうように表示された、いわゆる“幽霊船”体験を投稿しました。本記事ではその背景にあるAIS情報の仕組みを分かりやすく解説します。

AISとは何?なぜ解体した船が表示されるのか?

AIS(自動船舶識別装置)は船の位置・識別情報を電波で送信するシステムで、固有のMMSI番号で船を識別します。

しかし、船の解体後にも旧番号がデータベースに残るケースや、別船に番号が再利用され、位置情報にズレが生じることがあります。

さんふらわあにしきの経歴と解体時期

「さんふらわあにしき」は1992年就航、2010年まで運航後、フィリピンでSUPERFERRY21、さらにSt Leo The Greatと改名され、2022年1月にバングラデシュで解体されました :contentReference[oaicite:0]{index=0}。

つまり、現在AIS信号を発している“にしき”は存在しないか、別の船がデータ上で“にしき”になっている可能性が高いです。

MarineTrafficで位置が見える理由

MarineTrafficはAIS信号を受信・表示するため、過去データや誤った割当番号がそのまま地図上に反映されます。

実際、解体された船のAISがオフになれば本来位置情報は更新されません。しかし、一度登録された番号が別船に再利用されたり、AIS再送信の誤情報が反映されることがあります。

実例:他にもある“幽霊AIS船”現象

かつて解体された貨物船や漁船も同様の現象でMarineTraffic上に姿を見せることがあり、「過去のデータのキャッシュ表示が原因」という報告が寄せられています。

また、同じ名前や類似識別番号を別船に割り当てたケースでは、まったく別の船が“幽霊船”に見えることも。

まとめ:見えた“幽霊船”は本物?

マリントラフィックに漂う「さんふらわあにしき」は、解体された旧船ではなく、AIS情報の残留や番号の再利用による見せかけの存在と考えられます。

「幽霊船」のように見えても、実際に航行中の“にしき”は存在せず、システムの仕様による表示誤りと理解すれば腑に落ちるケースです。

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