那覇市は都会なのか？街の規模・暮らし・文化から見る沖縄の中心都市の実像

沖縄県の県庁所在地である那覇市。観光地としての顔は有名ですが、実際に那覇市が「都会」なのかどうか、疑問に思う人も少なくありません。今回は、人口規模、インフラ、文化、生活利便性など多角的な観点から、那覇市の都市性について解説します。

那覇市の基本データから見る都市性

那覇市は沖縄県の政治・経済・文化の中心地であり、2023年時点での人口は約31万人。沖縄本島南部に位置し、沖縄県で最も人口が多く、また観光客も多く訪れる都市です。

面積は約39km²と比較的コンパクトながら、空港・県庁・大規模商業施設が集中しており、行政と商業の中枢機能が備わっています。このコンパクトさも、都市生活の利便性に大きく寄与しています。

那覇市には、沖縄唯一の鉄道路線「ゆいレール（沖縄都市モノレール）」が走っており、那覇空港から市中心部の「県庁前駅」や「おもろまち」までスムーズに移動が可能です。また、バス路線も充実しており、市内移動や近隣市町村へのアクセスも良好です。

主要国道や幹線道路が交差し、那覇空港からのアクセスも10分以内という点から見ても、「都市機能が集約されたコンパクトシティ」といえるでしょう。

那覇市には、「国際通り」や「おもろまち」のようなショッピングエリアが複数存在し、パルコシティ、サンエー、ドン・キホーテなどの大型店がそろっています。また、病院や学校、公共施設も充実しており、生活利便性は非常に高いです。

特に「おもろまち新都心」エリアは都市計画により整備された現代的な街並みで、オフィスやマンション、文化施設が立ち並び、都会的な雰囲気が強い地域です。

那覇市は沖縄の伝統文化の発信拠点でもあります。首里城をはじめとした歴史的な建築や、伝統芸能である琉球舞踊、エイサー、伝統工芸の市場などが集積。文化イベントも頻繁に開催され、都市としての情報発信力があります。

また、テレビ局や新聞社の本社、大学や研究機関も市内に集中しており、沖縄の知的中心地としての一面も持ち合わせています。

これらを総合的に見れば、那覇市は「地方都市として十分に都会」と言えるでしょう。ただし、東京や大阪のような大都市と比較するとスケール感は劣りますが、それがかえって暮らしやすさに繋がっている面もあります。

那覇市は、観光地というイメージだけでなく、政治・経済・文化・教育・交通と多方面で中心的な機能を持つ、沖縄の「都会」です。規模の大きさよりも質の高さとバランスが取れた都市機能が、訪れる人にも住む人にも魅力を与えています。