竈馬(カマドウマ)とは?都会育ちにはなじみのない“家の中のバッタ”の正体と地域差を知る

国内

「竈馬(カマドウマ)」という昆虫の名前を聞いてピンとくる人は、地方出身者や山間部の暮らしを経験したことのある人が多いかもしれません。一方で、都市部だけで育った人の中には「そんな虫、聞いたこともない」という声も。この記事では、竈馬の特徴や生活環境、そして都会暮らしではなかなか出会う機会がない理由について解説していきます。

竈馬(カマドウマ)とはどんな虫?

竈馬は、バッタの仲間で正式にはカマドウマ科に属する昆虫です。体長は2〜3cm程度で、長い触角と後ろ足が特徴的。茶褐色のつやのある体で、跳ねる動作がバッタやコオロギに似ています。

名前の由来:かつての竈(かまど)や土間、物置などの薄暗く湿った場所でよく見られたため「竈馬」と呼ばれるようになりました。

見かけるのはどんな場所?

竈馬は暗く湿った環境を好むため、都会のマンションやビル内ではほとんど見られません。見かけることが多いのは以下のような場所です。

  • 田舎の古い木造住宅の押入れや床下
  • 倉庫や農家の納屋
  • 山間部の神社や公衆トイレ
  • 古い温泉旅館の脱衣所や裏手

こうした環境で育った人にとっては、ある意味「子ども時代の風景」に含まれる昆虫です。

都会育ちが見たことがない理由

都会では建物の構造や生活様式の違いが、竈馬の生息を大きく制限します。コンクリート造りの建物や空調管理された空間では、竈馬が好む湿度や隠れ場所がほとんどありません。

また、都市部では虫対策が徹底されており、殺虫・防虫処理された建材や密閉性の高い構造が、自然発生的な虫の侵入を防いでいることも一因です。

竈馬にまつわる迷信や文化

竈馬は「不吉な虫」として語られることもあれば、「家を守る虫」とされる地方もあります。

例:長野県や新潟県などでは「カマドウマが現れる家は火事にならない」という言い伝えがあり、大切に扱われることも。一方、突然跳ねる動作が「驚かされる」「不気味」と感じる人も多く、苦手な虫としても知られています。

実際に竈馬を見た人の声

・「実家の納屋でよく見たけど、跳ねるからすごく怖かった」(岐阜県出身・40代男性)
・「東京育ちなので、初めて旅館で見たとき“何この虫!?”と驚いた」(東京都出身・30代女性)
・「田舎に帰省した時だけ会える“夏の風物詩”みたいな存在です」(和歌山県出身・50代女性)

このように、竈馬への認知は生活圏の環境によって大きく分かれます。

まとめ:竈馬は“地方暮らし”の象徴的存在

都会育ちの人にとって、竈馬はなじみのない存在かもしれませんが、地方や山間部で育った人にとっては、生活の一部として記憶されている虫の一つです。そのギャップには、住環境や暮らしの歴史が映し出されています。

もしどこかで竈馬に出会う機会があれば、「なぜこの場所にいるのか」といった背景にも目を向けてみると、生活文化の違いが見えてくるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました