陸別町の“斗満”“ニオトマム”“キトウス山”とは？昔と今の地名のヒミツ

北海道足寄郡陸別町周辺で聞かれる昔の呼び名「斗満（とまむ）」「ニオトマム」、さらには「キトウス山」について、その成り立ちや現在の地名との関係をわかりやすく整理しました。

斗満とは？古い入植地の名残

明治34年（1901年）、関家（関又一・寛斎）が入植した地域は当時「斗満原野」と呼ばれていました。

これは1902（明治35）年に関寛斎らによる開拓が進んだことで知られ、現在の陸別町斗満地区の前身にあたります:contentReference[oaicite:1]{index=1}。

「斗満（とまむ）」の呼称は、上流域に移動した入植者やアイヌの方々が「ニオトマム」と呼んだ可能性があります。

徳冨蘆花の随筆『みみずのたはこと』にも「ニオトマムは山静に水清く…」という記述があり、清流をたたえた風景を指す敬称だったようです:contentReference[oaicite:2]{index=2}。

「キトウス山」とは、おそらくアイヌ語由来の山名で、現代では「喜登牛山（きとうしやま）」と呼ばれる山を指します。

これはアイヌ語 kito‑us‑i（ギョウジャニンニク群生地）に由来しており、「ギョウジャニンニクの多い山」の意味です:contentReference[oaicite:3]{index=3}。

斗満→ニオトマム→喜登牛山（キトウス山）と、地名は時代や言語によって変化しながら今に残っています。

アイヌ語と入植期の開拓者の記録を合わせて読むことで、当時の風景や人々の思いが浮かび上がってきます。

・斗満（とまむ）：1900年代初めに開拓された原野の名称（現在の斗満地区）

・ニオトマム：斗満の上流で清流の地を指す呼称で、文献にも登場

・キトウス山：現在の喜登牛山。アイヌ語でギョウジャニンニクが多い山の意味

昔の地名を知ることで、陸別町の自然や歴史がぐっと身近になります。