近年、重い病や苦痛からの解放を望む手段として「安楽死」や「尊厳死」に注目が集まっています。特に日本では制度が存在しないため、スイスなど安楽死が合法な国での選択を検討する人も増えています。本記事では、海外で安楽死を選ぶ際に求められる条件や語学の壁、実際の手続きについて解説します。
■安楽死・尊厳死が合法な国とは?
2025年現在、スイス・オランダ・ベルギー・カナダ・オーストラリアの一部地域などで安楽死・自殺幇助が法的に認められています。
中でもスイスは、外国人にも自殺幇助を認める唯一の国として知られ、「Dignitas(ディグニタス)」などの団体が手続きを支援しています。
■海外で安楽死を希望する際の基本条件
いずれの国も、次のような要件を設けています。
- 医学的に治療困難な病を抱えている
- 耐えがたい苦痛が続いている
- 自分の意思による明確な選択である
- 精神的な判断能力があると医師に判断される
精神疾患単体では受け入れられない場合もあり、事前に複数の診断書や書類が求められることが一般的です。
■語学力は必要か?英語が話せない場合の実際
結論から言うと、英語やドイツ語が話せないと手続きは非常に困難です。
スイスのDignitasでは、意思確認のための面談や書類作成、医師とのやり取りなどがすべて英語またはドイツ語で行われます。通訳者の同伴は認められていますが、正確な理解力が必須とされています。
■日本人で実際に手続きした例
2019年、末期の神経疾患ALSを患う日本人女性がスイスで自殺幇助を受けた例がメディアで報道されました。
彼女は日本の支援団体を通じて手続きを進め、現地の医師や団体とすべてのコミュニケーションを英語で行い、書類提出・面談をクリアしていました。
■通訳や支援団体を利用するという選択
英語が不安な場合、スイスの手続きを熟知した支援団体やボランティアの協力を得ることが現実的な方法です。
日本国内には、スイスでの自殺幇助に詳しい支援者や団体も存在し、必要な書類の翻訳や意思確認のトレーニングなどを提供しています。
■まとめ:安易な選択ではなく、正しい理解を
安楽死は重大な選択であり、「海外ならできる」という単純な話ではありません。
- 語学力は手続きや意思確認に必須
- 病状や苦痛が医学的に証明できる必要がある
- 通訳者や支援団体の協力が不可欠
「話せないから無理」ではなく、「どう支援を得て自分の意思を伝えるか」が問われます。まずは信頼できる医師や団体に相談し、情報を整理することが第一歩です。


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