近年、ビザ免除の相互主義を巡る議論が注目されており、特に不法就労や犯罪の多い国へのビザ義務化の検討が浮上しています。本記事では、もしトルコやベトナムといった国々からの入国者すべてにビザ取得を義務付けた場合、日本人の観光やビジネスにどのような影響があるかを、データと実例を交えて検討します。
トルコ・ベトナムと日本の現状:ビザ政策と相互主義
まず、トルコとベトナムの現在のビザ制度を整理します。日本人は両国に対し観光・ビジネス目的でビザ免除などの措置が取られていますが、日本政府も同様の措置を行っています。
トルコはEUなど一部の国にビザ免除を認めつつ、有料e‑Visa制度も導入。2023年には観光客数が前年比で急回復し、5 200万人超を記録しています :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
ベトナムでは2023年8月からe‑Visaの全国拡大により入国手続きが簡素化され、日本人ビジネス客の増加が報告されています :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
ビザ義務化の直接的コストと手間
仮にビザ義務化が行われた場合、日本人旅行者・ビジネスパーソンは申請書記入・面接・手数料・受取り通訳などのための時間と費用負担が新たに発生します。
例として、ベトナムのe‑Visaは単一エントリーで25 USD、トルコのe‑Visaでは数十USDの取得費用がかかります :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
実例から見るビザ政策と旅行者数の関係
過去の研究では、ビザ免除が合法な訪問者だけでなく不法滞在者も増加させる傾向にありますが、合法訪問者への影響の方が大きいと指摘されています :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
ベトナムでは、e‑Visa拡大によって2019年の国際観光客数が1 800万人を超え、その後の訪日ビジネス客も増加傾向にあります :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
トルコも2024年には5 260万人の外国人観光客を記録し、ビザ簡素化が旅行者誘致に寄与していると考えられます :contentReference[oaicite:5]{index=5}。
日本人旅行・ビジネスへの影響と定量的試算
ビザ義務化によって●%程度の旅行者減少が懸念されます。過去の査証緩和による日本向け影響の推計から、安全性や利便性に敏感な日本人は「手続きを要する渡航」に対し不都合を感じるでしょう。
例えばトルコ旅行の場合、e‑Visa義務が旅行動機に対する心理的コストとして働き、旅行需要が5〜10 %減少する可能性があります。
ビジネス面での影響:人的交流と商談機会の減少
日本–ベトナム間の商談や現地プロジェクトでは、短期の出張を繰り返すスタイルが一般的です。ビザ申請が必須化すれば、申請準備・取得日程調整などで最低数日単位の余裕が必要になります。
これは、突発的な商談や案件対応の遅延を招く可能性が高く、ビジネス機会の逸失にもつながるリスクがあります。
バランスを取るための制度設計の視点
不法就労や犯罪対策としてビザ義務化の検討は理解できますが、旅行やビジネスへの影響を最小限にする制度設計が重要です。
具体的には、e‑Visaの簡便化や有効期限の延長、多国間協定による事前認証制度の導入など、両国の行政負担や手続き期間を抑える工夫が求められます。
まとめ
トルコやベトナムからの入国者すべてにビザ取得を義務付けると、日本人旅行者の心理的・金銭的コストが増え、観光・ビジネス需要に5〜10%規模の減少が生じる可能性があります。
そのため、安全対策と両立させつつ、e‑Visaの簡素化や事前認証などで手続きの敷居を引き下げる制度設計が、円滑な人的交流と安全の両立には不可欠です。


コメント