旅行サイトでのホテル予約や航空券購入の際、「表示価格」と「最終支払額」が大きく異なる経験は誰しもあるでしょう。特に税金、サービス料、サーチャージが後から加算される表示方法に対して、ユーザーが不信感を抱くのも無理はありません。
料金表示の仕組みと業界の慣習
多くの海外系予約サイトでは「基本料金のみ」を最初に表示し、予約画面が進むにつれて税金や手数料を加算する方式を取っています。これは価格を低く見せ、クリック率を高めるためのマーケティング手法です。
一方、日本国内の宿泊予約サイト(楽天トラベルやじゃらん等)は「税込価格」で表示する傾向が強く、ユーザーにとっては比較的親切な表示と言えるでしょう。
表示価格と支払総額の差が大きくなるケース
特に以下のようなケースでは表示価格と支払額の乖離が大きくなりやすいです。
- 海外のホテル予約:リゾートフィーや都市税が別途加算
- LCCの航空券:空港使用料、燃油サーチャージ、手荷物追加料金が予約後に加算
- 清掃料:Airbnb等で目立つ追加料金
誤解しやすい料金表示の実例
たとえば、あるサイトで「1泊8,000円」と表示されていた海外ホテルを予約しようとしたところ、都市税5,000円+リゾートフィー3,000円+清掃費用2,000円で、合計18,000円になったという例もあります。
また、航空券では「往復20,000円」と表示されていたLCC便に、燃油サーチャージや手数料が加算され、最終的に40,000円以上になった例も多数報告されています。
ユーザー側ができる対策
- 価格比較時は「総額表示」に切り替え:ExpediaやBooking.comには「税・手数料込み表示」への切り替えオプションあり。
- 複数サイトで比較:一つのサイトだけに頼らず、公式サイト含めて合計価格をチェック。
- 通貨表示と為替にも注意:外貨建て表示は為替変動で想定より高くなることも。
価格の透明性は改善されつつある?
欧州連合(EU)などでは「最終価格表示の義務化」が進んでおり、日本でも消費者庁がガイドラインを出すなど、透明性向上への取り組みが始まっています。
ただし、グローバルサイトでは未対応な例も多く、ユーザー自身が情報を見抜く力を持つことが必要です。
まとめ:騙されたと感じないために
予約時には「表示価格=最終価格」とは限らないという前提で確認を行いましょう。総額表示への切り替えや複数サイトでの比較は、思わぬ出費を防ぐうえで有効です。「安く見せる表示」に惑わされず、本当にお得な選択ができるよう意識したいところです。


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