地方で活躍する路線バスや観光バスの一部に「中古車両が使われている」という話を聞いたことがあるかもしれません。では、バス会社にとって新車導入が標準なのか、それとも中古車の活用が一般的なのか。この記事では、バス業界の車両調達事情を分かりやすく解説します。
新車導入が基本となるのはどんなバス会社か
大都市圏を中心に展開する大手の路線バス会社や、高級観光バスを運行する企業では、新車導入がスタンダードとされることが多いです。信頼性、安全性、ブランドイメージを重視するため、新車購入に対する投資が比較的容易に行える体制があります。
特に自治体や企業からの委託を受けているバスは、利用者の信頼を得るためにも見た目の清潔感や設備の新しさが重要視される傾向にあります。
地方のバス会社で中古車が選ばれる理由
一方、地方や中小規模のバス会社では、新車価格(1台2,000万円以上)の負担が大きいため、中古バスの活用が現実的な選択肢になることも多々あります。中古バスは、都市部の大手事業者が更新のため手放した車両が市場に出回っており、整備状態が良好なものも多く、費用対効果の高い選択肢です。
たとえば、過疎地のスクールバスや自治体のコミュニティバスなどでは、10年落ちの中古車両をベースに車体塗装だけ変更して使用するケースも珍しくありません。
中古バスの導入メリットと注意点
中古バスの最大のメリットはコスト削減です。新車価格の半分以下で購入できるため、運行本数が少ない地域や、赤字路線の維持を求められるバス会社にとっては、経営的に合理的な選択肢となります。
ただし、古い車両はメンテナンスや部品供給に手間がかかることもあり、故障リスクへの備えや運転手への安全教育も必要になります。また、排出ガス規制やバリアフリー対応の点でも不利になる場合があります。
国や自治体の補助金制度も影響
日本では、一定条件を満たした公共交通事業者に対して、新車購入時の補助金制度が用意されていることがあります。これにより、一部の地方バス会社でも新車を導入する機会が増えています。
たとえば、国土交通省の地域公共交通確保維持事業では、過疎地での公共交通維持を目的とした新車導入費補助が実施される場合があります。
実際の事例:新車と中古車の使い分け
ある地方の観光地では、観光シーズン中のみ稼働するシャトルバス用に中古バスを導入し、コストを抑えつつ観光客対応を実現しています。逆に、空港送迎や観光バスなどイメージが重要な用途では、ピカピカの新車が投入されています。
また、都市部から地方へ車両が「お下がり」として移動するのは業界内でもよくある慣習で、一定の整備と塗装変更を経て、見た目も綺麗に再生されることがほとんどです。
まとめ:バス会社の標準は一概には決められない
バス会社が新車を導入するか中古車を活用するかは、その会社の規模や経営状態、運行エリアのニーズによって異なります。都市部の大手企業では新車が一般的ですが、地方ではコストや実用性を優先して中古車が選ばれることも多く、それぞれの事情に応じた最適化が図られているのが実情です。


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