国際線機内で犯罪が起きたらどこの国の法律で裁かれる?航空法と国際法の基本を解説

飛行機、空港

海外旅行中に飛行機内で事件が起きた場合、その裁判権や管轄国がどこになるのかは意外と知られていません。この記事では「機内で犯罪行為が起きた場合、どこの国の法律が適用されるか」について、航空法や国際条約をもとにわかりやすく解説します。

航空機内での犯罪に適用される法律とは

基本的に、航空機内での犯罪は「航空機の登録国の法律」が適用されるというのが国際的な原則です。これは1963年に締結された「東京条約(航空機内の犯罪およびその他の行為に関する条約)」に基づいています。

たとえば、日本の航空会社(JAL・ANAなど)の機体であれば、たとえ機内が外国の上空にあっても、日本の刑法が適用されます。

上空が他国領空でも影響はある?

飛行中にロシア上空を通過していたとしても、それだけでロシアの刑法が即適用されるわけではありません。機内はその航空機が登録されている国の「法的な延長線」として扱われるからです。

ただし、事件の重大性や安全保障上の理由により、その国(例:ロシア)が「着陸要求」や「捜査協力要請」などを行う場合もゼロではありません。

被疑者が裁かれる場所と身柄引き渡しの扱い

通常、機内で重犯罪が発生した場合、目的地または出発国で捜査・逮捕・起訴されることになります。たとえば、日本からアメリカへの便なら、アメリカ入国後にFBIが乗り込むといった対応が実例としてあります。

また、各国は重罪に関して国際協力体制を敷いており、必要に応じて「身柄引き渡し条約」に基づく対応も検討されます。

実例:機内犯罪とその法的処理のケース

・2017年、アメリカ行きの便で乗客が機内暴行を行った際、FBIが到着後に逮捕し、米国法で裁かれました。

・一方で、アジアの航空会社で機内盗撮事件が発生したケースでは、その航空機の登録国(例:韓国)の法で処理されました。

テリトリーの境界線:航空機と国境の関係

飛行機の中は“空の中の領土”ではなく、船と同様に「機体登録国の主権が及ぶ場」とされます。つまり、上空の国家領域内にあっても、そこにいる乗客にはその国の主権は及ばないのが通例です。

ただし緊急着陸や不時着などで現地に降りた場合、そこからは着陸国の主権が強く働くため、その時点からはその国の警察・裁判制度が動き出す可能性があります。

まとめ:飛行機内の犯罪行為はどこで裁かれるか?

・航空機内での犯罪は、原則として機体の登録国の法律で裁かれる

・ロシア上空であっても、飛行機が日本登録なら日本法が適用。

・ただし、重大犯罪の場合は着陸国や目的国の法も影響する可能性がある。

国際線の航空機は“空飛ぶ国家領域”ともいえる特殊な空間。旅の安全のためにも、国際航空法の基本を知っておくことは重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました