パスポートとマイナンバーカードという二つの公的身分証明書には、どのような関係があるのでしょうか。個人情報の管理や行政手続きのデジタル化が進む中で、「連携しているのか?」「個人情報が共有されているのでは?」と気になる方も多いはずです。本記事では、マイナンバーカードとパスポートの関係について、最新の制度や動向をもとに詳しく解説します。
パスポートとマイナンバーカードの基本的な役割の違い
パスポートは海外渡航のために必要な公的身分証明書で、外務省が管轄しています。一方、マイナンバーカードは、行政サービスを効率的に提供する目的で導入されたカードで、総務省とデジタル庁が関係しています。
つまり、この2つのカードは目的も管理省庁も異なるため、原則として自動的な情報連携は行われていません。ただし、一部手続きの効率化を目的とした限定的な情報連携は例外的に認められています。
パスポート申請にマイナンバーカードは使えるのか?
2023年から多くの自治体で、パスポート申請の本人確認書類としてマイナンバーカードが利用可能になっています。これにより、健康保険証などを別に用意せずとも申請ができるようになりました。
ただし、マイナンバーそのもの(12桁の番号)をパスポート手続きに提供することは原則としてありません。あくまで「本人確認書類」としてカードを提示する形での利用にとどまります。
マイナンバーと外務省のデータベースは連携しているのか
現時点(2025年6月現在)では、マイナンバーとパスポート情報を直接紐づけるようなデータベース連携は行われていません。外務省が保有するパスポート情報と、マイナンバー制度の中核である内閣官房・デジタル庁のシステムは別々に管理されています。
これは、日本の個人情報保護法にもとづいて、目的外利用の禁止や、情報の分散管理が徹底されていることによるものです。
今後、連携の可能性はあるのか?
政府は、行政手続きの簡素化や利便性向上の観点から、各種制度のデジタル連携を進めています。その一環として、将来的にはマイナンバーカードを活用したパスポート手続きのオンライン申請がさらに普及する可能性があります。
たとえば、一部の自治体では「マイナポータル」を経由してパスポートの更新予約などを行う取り組みも進行中です。ただし、マイナンバーとパスポートの番号を統合するような制度的な動きは現段階ではありません。
具体例:マイナンバーカードの提示が求められる場面
実際の行政手続きでは以下のような場面でマイナンバーカードが活用されます。
- パスポートの申請・更新時の本人確認書類として提示
- 戸籍証明書や住民票をコンビニで取得する際の認証手段
- マイナポータルを通じた行政サービスの利用
一方で、パスポートの取得や利用の中でマイナンバー自体が求められることは基本的にありません。
まとめ:連携は限定的、将来の拡張に注目
パスポートとマイナンバーカードは、現時点では完全に連携されているわけではなく、目的や用途に応じた部分的な活用にとどまっています。今後、行政のデジタル化が進むことで利便性が向上する一方、個人情報の安全性確保とのバランスも求められます。
最新情報は、デジタル庁や外務省の公式サイトで確認すると安心です。


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