東京ビッグサイト、インテックス大阪、ポートメッセなごやなど、日本を代表する大規模イベント会場は、いずれも海の近くに位置しています。この共通点に疑問を感じた方も多いのではないでしょうか。今回は、これらの施設が海沿いに建てられている理由を、都市計画や土地利用の視点から紐解いていきます。
埋立地は大規模開発に適した用地
イベント会場のような大規模な施設には、広大な土地が必要です。市街地の中心部ではそのようなスペースを確保するのが難しく、また用地取得にかかるコストも膨大です。これに対して、海沿いの埋立地は、もともと未利用地として都市が計画的に開発してきた場所であり、広大な面積を比較的低コストで活用できる利点があります。
例えば、東京ビッグサイトのある有明地区は、臨海副都心構想の一環で開発された地域であり、計画段階から大規模施設の建設が見込まれていました。
輸送・物流の観点からも有利
イベント会場では、展示物や機材の搬入・搬出が頻繁に行われます。大型トラックが乗り入れやすい道路設計や、湾岸道路・高速道路へのアクセスの良さも重要な立地条件となります。
海に近い立地であれば、港湾設備や物流拠点との連携も取りやすく、輸送効率の観点からもメリットが大きいとされています。
交通アクセスと混雑の緩和
都市中心部では交通渋滞や人の流れの集中が問題になりますが、臨海部であれば新たに交通インフラを整備する余地もあり、来場者のアクセス動線を設計しやすくなります。
例えば、インテックス大阪のある南港エリアでは、大阪メトロ南港ポートタウン線(ニュートラム)や高速道路が整備されており、イベント時の混雑にも柔軟に対応できます。
周辺地域の再開発と経済効果
イベント会場を中心に再開発を進めることで、地域活性化や観光振興の起爆剤となる効果も狙われています。宿泊施設、商業施設、レジャー施設などを組み合わせて整備すれば、イベント以外の需要も取り込むことが可能です。
東京ビッグサイト周辺の有明ガーデンや、ポートメッセなごや近くの金城ふ頭の開発などがその好例です。
地盤や災害リスクの懸念と対策
一方で、海沿い・埋立地ならではの課題もあります。地盤の液状化リスクや高潮・津波への備えは不可欠であり、それに対しては強固な地盤改良工事や防潮堤の整備などの対策が講じられています。
設計段階から災害時の避難導線の確保や、建物の免震構造化などを織り込むことで、安全性の確保も進められています。
まとめ:海沿いは理にかなった戦略的な選択
大規模イベント会場が海沿いに立地しているのは、単なる偶然ではなく、都市計画・物流効率・アクセス性・再開発効果など多面的な理由に基づく戦略的な選択です。
一見すると不便にも思える立地ですが、その裏には綿密な都市整備の意図と合理性が隠されているのです。次に海沿いのイベントに参加する際は、そんな背景にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。


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