バスの車内で空席があるにも関わらず、通路側などに立ったままの人を見かけることがあります。「なぜ座らないのか?」と疑問に感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。実はそこには様々な理由や背景が隠れています。
すぐに降りるから座らない
最も多い理由の一つは、目的地が近く「すぐに降りるからわざわざ座らない」というケースです。たとえば、あと1〜2つ先の停留所で降りる予定であれば、座ってからまたすぐに立ち上がるのを面倒と感じる人もいます。
特に短距離の利用者が多い都市部ではこうした傾向が強く、通路近くで手すりを持ちながら降車のタイミングを見計らう人も少なくありません。
座ることに抵抗がある心理的要因
座席に座らないのは、単に物理的な事情だけでなく心理的な理由もあります。例えば。
- 混雑時に「次に乗ってくる人のために空けておきたい」と思っている
- 自分が汗をかいていて他人と密着するのが気になる
- 見知らぬ人の隣に座るのが気まずい・不快
このように、座らない選択をすること自体が周囲への配慮だったり、自身の快適さを優先した判断だったりします。
体調や荷物の状況による判断
リュックや大きな荷物を持っている人は、座席に収まりにくいため立っていることがあります。特に満員時には荷物が他人の邪魔にならないよう立ったままでいる方がマナーとされる場面も。
また、座ることで乗り物酔いしやすくなる体質の人も一定数おり、立っている方が身体的に楽な人もいます。
座席の清潔さに不安を感じている
車内の座席の汚れやにおい、他人の忘れ物などが原因で座るのをためらう人もいます。清潔感に敏感な人や潔癖気味の方は、誰が座ったかわからない席に抵抗があることも。
とくに雨の日や悪天候の際は座席が濡れている場合もあるため、それを嫌って立っている可能性も考えられます。
譲るつもりであえて立っている場合も
高齢者、妊婦、障がいのある方に席を譲る目的で、自発的に立ち続けている人もいます。とくに優先席付近では「自分よりもっと必要とする人がいるかもしれない」という気遣いから、座らない人が存在します。
“譲れる準備”として立っているという背景も尊重すべき価値観です。
まとめ:座らないのには人それぞれの理由がある
空席があっても座らない人には、目的地までの距離や体調、心理的な配慮などさまざまな理由があります。一見「なぜ?」と感じても、それはその人なりの判断によるもので、必ずしもルール違反や変わった行動ではありません。
公共交通機関では、お互いの選択を尊重しつつ、安全で快適な空間づくりに努める意識が大切です。


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