Microsoft Flight Simulator 2020(MSFS2020)において、inibuilds製のA350を使用している際、ILSアプローチ中に機体が滑走路の方向には合わせるものの、高度が自動で下がらない現象に遭遇するユーザーが少なくありません。本記事ではその原因と、正しく降下させる手順について詳しく解説します。
ILSアプローチの基本:LOCとGSの役割
ILS(計器着陸装置)には水平方向を制御するLOC(ローカライザー)と垂直方向の降下を誘導するGS(グライドスロープ)の2つの信号があります。
LOCのみがアクティブになっている場合、機体は滑走路の延長線上には乗りますが、高度は維持されたままとなり自動降下しません。
高度が下がらない主な原因
- アプローチモード(APPR)が正しく作動していない
- FMC/MCDUにILSアプローチが適切に設定されていない
- GSキャプチャの高度が高すぎ、もしくは低すぎる
- 機体のバグ(特にアドオン機)
特にinibuildsのA350では、アプローチ手順をFMSで完全に設定しなければGSを捕捉しないという仕様も報告されています。
正しいILSアプローチ手順(A350想定)
以下のような手順を踏むことで、GSが正しくキャプチャされ、自動降下が開始されることが期待できます。
- FMS(またはMCDU)で到着空港・滑走路・アプローチ(ILS)を入力
- アプローチのSTARやトランジションも含めて設定
- 着陸滑走路のILS周波数とコースがNAVラジオに自動設定されているか確認
- 降下中にGSの有効範囲(通常2000~3000ft AGL)に正しい角度で進入
- アプローチモード(APPRボタン)を押す
GSがキャプチャされると、PFD上に「G/S*」や「GS」といった表示が出現し、オートパイロットが降下を開始します。
実例:ILSに入っても降下しないケースと解決法
例えばILS34L進入時、高度が5000ftのままLOCのみ捕捉してGSが無反応だったケースでは、FMS側にアプローチセグメントが抜けており、滑走路直行設定だったのが原因でした。
このような場合、「Approach」セグメントを挿入してから再度APPRを有効にすることで、正しくGSが作動しました。
アドオン機体ならではの注意点
inibuilds製品は高精度なシステムを再現している分、操作手順が実機に近くなります。そのため、シンプルな操作では自動でGSに乗らない場合があります。
公式マニュアルやDiscordフォーラム、YouTubeチュートリアルの確認もおすすめです。
まとめ:自動降下しないときのチェックポイント
ILSで高度が下がらない問題の多くは、APPRモード未設定・FMC未登録・GSの高度逸脱などが原因です。
基本手順を確認し、FMSへのアプローチ設定、APPRボタンの使用、高度の管理を行えば、inibuilds A350でも正しく自動着陸シーケンスが機能します。


コメント