国際貿易における「相互関税免除(相互免税)協定」は、加盟国間で関税を軽減・撤廃する仕組みとして知られています。しかしその中で、イギリスがしばしば対象国から除外される理由には、歴史的・制度的な背景が存在します。
相互関税協定の基本とは
相互関税協定とは、参加国同士が特定の商品に対して関税をかけずに輸出入できるようにする取り決めです。
これは通常、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の枠組みの中で運用され、各国の合意によって成立します。
イギリスが除外される背景
2020年のブレグジット(EU離脱)以降、イギリスはEUの共通関税政策から独立し、自国独自の通商政策を実施することになりました。
これにより、多くのFTA協定から一時的に外れたため、過去にEUとして締結されていた相互関税免除の取り決めも見直し対象となっています。
制度再交渉の過渡期
イギリス政府は独自に日本やオーストラリアなどと新たなFTAを結び直していますが、すべての国と再交渉が完了しているわけではありません。
そのため、相互関税免除リストに名前がない=「未合意」または「旧協定が継続中でない」と判断されるケースがあります。
例外や今後の可能性
たとえば、日本とイギリスは2020年に「日英包括的経済連携協定(CEPA)」を締結しています。
しかし、その中で適用される品目や相互関税の範囲が、他のEPAに比べて限定的である場合もあり、すべての場面で「相互免税対象」とはなりません。
企業・個人が確認すべき点
- 最新の税関情報(日本の税関やHMRCなど)を確認
- FTA適用対象品目のHSコード確認
- 原産地証明の有無で関税対象が変わる可能性がある
たとえば、イギリス製の商品を輸入する際に、原産地証明書がないと関税免除が適用されないケースがあります。
まとめ
イギリスが相互関税協定から除外されるのは、EU離脱に伴う制度移行の影響や、各国との再交渉の進行状況が要因です。
今後、新たな通商合意が結ばれることで、対象国に再び加わる可能性も十分にあるため、各国の公式情報を定期的に確認することが重要です。


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