大型バスの運転手という職業には、「運転がうまければ誰でもできる」という印象を持つ方もいるかもしれません。しかし実際には、高度な技能と知識、そして責任感が求められる専門的な職種です。本記事では、大型バス運転手が“技術職”と言える理由を多角的に掘り下げていきます。
大型バス運転には高度な運転技能が求められる
まず、大型バスの運転には大型二種免許が必要です。これは単なる運転技術にとどまらず、「乗客を安全に運ぶプロ」としての総合的な能力が問われる免許です。
車両の全長は10mを超え、重量も10トン以上。狭隘路、坂道、Uターン、雨や雪など悪条件の中でも、スムーズかつ安全に操縦するための高度なテクニックが要求されます。
日常点検・緊急対応も“技術職”の一部
バス運転手は単にハンドルを握るだけではありません。出庫前点検(タイヤ・ブレーキ・ライトなど)や、走行中の異常検知、万が一のトラブル時の初期対応なども求められます。
こうした点検作業や判断力は、いわば“車両整備と運行管理”の知識を持つ技術者的な役割でもあります。
接客や案内も含む「総合技術職」的な側面
バスは公共交通機関であるため、乗客への案内や緊急時の誘導も重要な仕事です。特に観光バスや長距離高速バスでは、マイクでの案内や体調不良者への対応なども含まれます。
このように、大型バス運転手は安全運行+車両理解+対人スキルという複合的な“技術職”として位置付けられるケースが多いのです。
実際の企業分類ではどう扱われる?
企業によってはバス運転手を「技能職」「専門職」「輸送技術職」として採用している例があります。特に公営交通や大手バス会社では、技能職登用制度に基づいて昇格・評価される職種として分類されています。
また、運行管理者資格や教習指導員資格を取得すれば、運行部門の中でもより技術的責任を持つポジションに進むことができます。
求められる資質と養成方法
バス会社の多くでは、独自の運転研修・教育プログラムを通して、未経験者でも一人前の運転士を育てています。
たとえば、両備グループや西日本鉄道では、走行試験や安全講習、地理テストを含む実践的な訓練が用意されており、まさに“職人的”な技能の伝承が行われています。
まとめ
• 大型バス運転手は高度な技能・判断力・対人対応力を要する職種。
• 大型二種免許や安全運行知識、日常点検の技術など“技術職的要素”が多い。
• 実際に企業内でも「技能職」や「輸送技術職」として扱われている場合がある。
• 経験を重ねることで、指導員や管理者へとキャリアアップする道もある。
こうした背景から、大型バス運転手はれっきとした“実務型の技術職”として捉えることができるでしょう。


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