天然水は温泉のように湧き出る?湧水の仕組みと採水の現場を解説

温泉

コンビニやスーパーでよく目にする「天然水」。その言葉から「山奥で温泉のように湧き出ている水」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?本記事では、天然水がどのように湧き出るのか、温泉との違い、そして実際の採水現場について詳しく解説します。

天然水とは?その定義と種類

「天然水」は、地下水のうち自然の状態で採取される水のことを指し、ミネラル成分が自然に含まれているのが特徴です。人工的な処理を施していないことが条件で、軟水〜硬水まで種類もさまざまです。

一方、「ミネラルウォーター」は天然水に加えて人工的にミネラル成分を調整したものや、ろ過・加熱処理された水も含まれます。

天然水はどこから湧き出るのか

天然水は山や丘陵地の地層の中に浸透した雨や雪解け水が、時間をかけて地下にたまり、地形や水圧の関係で湧き出すことがあります。これが「湧水(ゆうすい)」と呼ばれる現象です。

例えば、名水百選に選ばれている「南アルプスの天然水」は、山岳地帯の標高が高い地点で長い年月をかけてろ過された水が自然と湧き出るポイントで採取されています。

温泉との違いとは?

温泉は地中深くから湧き出る「地熱で温められた地下水」であり、地質由来の成分(硫黄・鉄分など)が含まれています。温泉には温度や成分の基準があり、法律上の定義も存在します。

天然水はあくまで飲用可能な清水であり、地熱や特別な成分を含まないことが一般的です。したがって、「温泉のように湧き出る」という表現は似ていますが、性質や成分、用途は異なります。

湧水地と採水の実例

天然水が採取される場所は、「採水地」と呼ばれ、サントリー南アルプス天然水や、キリンのアルカリイオンの水などは、山梨県や熊本県の湧水地で採水されています。

これらの採水地では、環境保全が徹底され、人の手が加えられないピュアな状態で水が湧き出していることが確認されています。

天然水は「ポンプで汲み上げる」ことも多い

実際には「自然に湧き出る」ケースもありますが、大量供給を実現するために地下深くからポンプで汲み上げる方法が主流です。ただし、これは水質や成分を変化させずに汲み上げており、天然水の基準を満たしています。

このような採水方法は「深井戸水」とも呼ばれ、地下100メートル以上の深層から水を取り出す例もあります。

まとめ:天然水は自然の恵み、温泉とは別物

天然水は確かに自然から湧き出るものもありますが、必ずしも「温泉のように湯気を立てて湧き出す」わけではありません。地下の天然のろ過システムを通った水が、清らかな状態で湧水や深井戸から採取されるのが一般的です。

自然の力で作られたその味わいを、私たちは日々の生活の中で手軽に享受しているのです。

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