山口県と大分県を結ぶアクアライン構想は実現可能か?地理・技術・経済の視点から考察

車、高速道路

本州と九州を新たに結ぶインフラ整備案として、山口県の笠戸島から姫島を経由し大分空港道路(E97)へ至る「アクアライン構想」は、夢のようなビジョンです。本記事ではこの構想を、地理的・技術的・経済的観点から多角的に検証していきます。

構想ルートの概要:笠戸島〜姫島〜大分空港

ルートは山陽自動車道(E2)から笠戸島に至り、そこから海底トンネルや橋梁を使って姫島を経由し、大分空港道路(E97)へ接続するというものです。この経路の総延長はおおよそ40〜50kmに及びます。

実際、東京湾アクアライン(全長15.1km)が実現していることを考えれば、距離的には実現不可能とは言えません。ただし、海底地形や気象条件が異なり、それなりの課題も存在します。

技術面での課題と実現可能性

このような大規模な海上交通インフラを構築するには、橋梁・トンネル両方の技術が求められます。とりわけ、姫島近辺の地盤調査や台風の影響を受けやすい海域での工事は、難易度が高くなります。

東京湾アクアラインや明石海峡大橋のように、地震・津波対策も視野に入れた建設計画が求められるでしょう。

経済面の実現性:費用対効果と利用者見込み

最大のハードルは、莫大な建設費とその回収見込みです。東京湾アクアラインでさえ建設費は1.4兆円規模。山口〜大分アクアラインもそれに匹敵、もしくはそれ以上の投資が必要です。

通行量や観光・物流への波及効果が見合うかどうかが焦点です。特に姫島は人口2000人程度の離島であり、需要をどこまで見込めるかが重要なファクターになります。

地政学的・地域活性化の視点からの利点

地域創生という観点からは、この構想は面白みがあります。例えば、瀬戸内海から大分空港までのアクセスが大幅に短縮されるため、観光や物流の効率化が見込まれます。

また、過疎化が進む姫島にとっては一大インフラ投資が島の振興に直結する可能性もあります。ただし、交通の流れが劇的に変わることへの地域側の準備も必要です。

他地域での参考事例と教訓

東京湾アクアライン(神奈川〜千葉)
明石海峡大橋(本州〜淡路島)

これらのインフラは建設に10年以上の年月を要し、費用回収にも時間がかかっています。実現には、国家レベルの長期ビジョンが不可欠です。

まとめ

山口県〜大分県を結ぶアクアライン構想は、地理的・技術的には挑戦可能ですが、経済的な採算性と地域合意の面で大きなハードルがあります。未来の交通インフラとして議論する価値はあるものの、現段階では構想段階に留まるのが現実的でしょう。

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