ヨーロッパ旅行を計画していると、「EU加盟国ならパスポートなしで自由に行き来できる」といった話を耳にすることがあります。確かに多くの国では国境でのパスポート提示が不要ですが、それは「EU加盟国だから」ではなく、別の制度によるものです。本記事では、その仕組みや例外を詳しく解説します。
EU加盟国とシェンゲン協定は別のもの
まず知っておくべきは、EU(欧州連合)加盟国=国境検査がない国ではないという点です。実際にヨーロッパで自由に行き来できる制度は「シェンゲン協定(Schengen Agreement)」に基づいています。
この協定に加盟している国の間では、国境検査なしでの人の移動が認められています。つまり、EU加盟国の中でもシェンゲン協定に加盟していない国ではパスポートチェックが行われる可能性があります。
シェンゲン協定加盟国の一覧
2024年時点で、以下の国々がシェンゲン協定に加盟しています(一部抜粋)。
- ドイツ
- フランス
- イタリア
- スペイン
- オランダ
- ベルギー
- スイス(EU非加盟国だがシェンゲン協定加盟)
このように、EUに加盟していなくてもシェンゲン協定に加盟していれば国境検査は不要ですし、逆にEU加盟国でも未加盟の場合は注意が必要です。
シェンゲン非加盟のEU加盟国に注意
代表的な例として、アイルランドはEU加盟国ですがシェンゲン協定には加盟していません。そのため、フランスからアイルランドに渡航する際にはパスポートチェックが行われます。
他にも、キプロス、ブルガリア、ルーマニアなどは2024年時点でシェンゲン協定の完全加盟には至っていません(空路・海路のみ部分的に適用されているケースもあり)。
EU圏内での身分証明書の役割
EU市民(EU加盟国の国籍を持つ人)は、原則としてシェンゲン加盟国間をIDカードのみで移動できます。パスポートは不要です。一方で、日本を含む第三国籍の旅行者は、必ずパスポートの携帯が必要です。
実際には陸路での国境通過時に検査がない場合が多いですが、パスポート不携帯は入国拒否や拘束のリスクがあるため絶対に避けましょう。
旅行者が知っておくべきポイント
- EU加盟国でもシェンゲン協定加盟国とは限らない
- 日本人はどの国でもパスポート携帯が原則
- 飛行機やフェリー移動ではパスポート提示を求められるケースが多い
- 情勢によっては一時的に国境検査が再開されることもある
特に新型コロナウイルスの影響以降、ドイツやフランスなどでも一時的に国境検査を復活させた例がありました。
まとめ:EU内移動=パスポート不要、ではない
EUとシェンゲン協定の違いを理解しておくことで、ヨーロッパ旅行がよりスムーズになります。「EU加盟国だからパスポート不要」と思い込まず、目的地がシェンゲン協定加盟国かどうかを事前に確認するのが旅の鉄則です。
旅のトラブルを防ぐためにも、渡航前には各国の入国ルールを必ず確認しましょう。


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