【比較解説】札幌市とモントリオール、都市規模が大きいのはどっち？人口・経済・文化の面から徹底分析

世界の都市を比較するとき、「都会らしさ」や「都市規模」は人口だけでなく、経済、インフラ、文化機能の複合評価が必要です。本記事では、日本の主要都市・札幌市と、カナダのフランス語圏都市・モントリオールを多角的に比較し、どちらがより都市規模として大きく、都会と呼べるかを掘り下げます。

人口規模の比較：モントリオールが圧倒的

2024年時点での推定人口は以下の通りです。

都市名	市域人口	都市圏人口（メトロ）
札幌市	約197万人	約220万人（石狩管内含む）
モントリオール	約180万人	約420万人

市域人口では札幌がやや上回りますが、都市圏ではモントリオールがほぼ倍。カナダ第2の都市としての地位を反映しています。

モントリオールは国際都市としての役割も大きく、航空宇宙、IT、ゲーム、AIなど先端産業が集中。UNESCO創造都市にも登録されています。

札幌は北海道経済の中心として観光・食品・ITに強みを持ちますが、グローバル企業や外資系の集積は限定的です。

経済規模（GDP）においても、モントリオール都市圏は600億カナダドル以上、札幌都市圏は10兆円強と、通貨を換算してもモントリオールの方が規模が大きい傾向にあります。

モントリオールは4路線の地下鉄、国際空港、北米と直結する鉄道網を備えた交通ハブ都市です。中心街は欧州のような都市構造で、高密度な都心居住も可能。

一方、札幌は3路線の地下鉄とバス網が中心で、徒歩圏ではまとまりが良いですが、国際交通網では新千歳空港からの接続に依存しています。

モントリオールにはマギル大学やコンコルディア大学など、世界的にも評価の高い大学が複数あり、多言語環境でフランス語・英語が共存しています。

一方札幌も北海道大学をはじめとする高等教育機関が整っており、雪まつりや芸術文化も活発ですが、国際性ではモントリオールに軍配が上がります。

札幌は都市機能が集約され、地方都市としては随一の便利さがあります。空気や景観の良さ、四季の美しさも魅力。

モントリオールは都市規模、国際性、文化多様性で世界都市らしいスケール感があります。高層ビル街、欧米型のダウンタウンもあり、「都会感」を求めるならこちらが優勢です。

人口、市場規模、交通網、国際性などを総合すると、モントリオールの方が「都市規模が大きく、より都会的な都市」であるといえます。

ただし、札幌にも生活のしやすさ、コンパクトさ、自然との共存など都市にはない魅力があり、何を重視するかによって「都会の価値」は変わってくると言えるでしょう。