タクシードライバーとして働く際に知っておきたいのが、給与形態の違いです。特に「AB型給与」は一見すると「ボーナス付きの給与制度」のようにも思えますが、その中身をよく理解しておかないと「もともと貰えるはずの給料を預けているだけ?」といった疑問も湧いてきます。本記事では、AB型給与とは何か、B型との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
タクシー業界の給与形態とは
タクシー業界の給与形態は主に以下の3種類に分けられます。
- A型:固定給+歩合給
- B型:完全歩合制
- AB型:歩合給+積立ボーナス
このうちAB型は、歩合制であるB型にボーナスの積立機能を追加したような形です。
AB型給与の仕組み
AB型は、月々の歩合給の一部を会社が積み立て、年2回などのタイミングで「ボーナス」として支給する制度です。
例として、月収40万円のうち3万円を積立に回し、年間で36万円分をボーナスとして支給する形になります。これは確かに「もらえるはずの金額を後で受け取る」ため、実質的には貯金のような性格を持っています。
B型給与との違い
B型は完全歩合制で、稼げば稼ぐほどその月にすべて反映されます。一方AB型は、一部を後で支給する分、「貯蓄性」と「安定性」があるという点で異なります。
また、AB型は一部企業で賞与扱いとして社会保険上も優遇されるケースがあるため、税務や保険上の調整にメリットが出る場合もあります。
AB型給与のメリット
- 自己管理が苦手でも積立が自動でできる
- ボーナス支給の形式により、やる気・モチベーションを維持しやすい
- 税務や保険の調整上、実利のある設計になることも
特に将来の支出(旅行、車購入など)に備えたい人にとっては、定期的なボーナスは計画的な消費に役立ちます。
AB型の注意点とデメリット
当然ながらデメリットもあります。
- 「実質的な手取りがB型より少ない」
- 積立金は途中退職した場合、満額もらえないことも
- 緊急時に現金が足りない場面が生まれる可能性
したがって、「すぐに現金が欲しい」「自分で貯金管理できる」という方には、B型のほうが魅力的に映ることもあります。
現役ドライバーの声と実例
40代現役ドライバーAさん:「AB型は最初は損した気分だったけど、ボーナス月はやっぱり嬉しい。家族旅行の資金に使える。」
30代ドライバーBさん:「B型からAB型に移ったら最初の月は手取りが減って驚いた。でも、ボーナスがあるとモチベーションも違う。」
まとめ:AB型給与は“強制貯金”と“安定感”のバランス
AB型給与は単なる「給与の分割支給」ではなく、タクシードライバーとしての働き方に合った「収入の管理手段」として考えると価値が見えてきます。B型とどちらが良いかはライフスタイルや資金計画によりますが、安定性と将来性を重視する人には魅力的な制度と言えるでしょう。


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