日本に留学を希望する外国人にとって、留学ビザ(在留資格「留学」)は基本かつ重要な制度です。一方で、「実際は遊び目的では?」といった疑念を抱く声も少なくありません。本記事では、留学ビザにまつわる制度と誤解されがちな点を整理して解説します。
法務省告示校でなければ留学ビザは取得できない?
原則として、留学ビザを取得するには法務省が告示する教育機関(いわゆる「告示校」)に入学する必要があります。これは、ビザ発給の要件として、教育機関の信用性と在籍確認がしっかり行われる体制が整っていることが前提とされているためです。
つまり、告示校でない学校への留学を理由にビザ申請をしても原則として許可は下りません。告示校リストは法務省の公式サイトにて随時更新されています。
留学生は日本で車を買ってもいい?
在留資格「留学」でも、日本での車の購入や運転は可能です。ただし、住民登録・運転免許証・駐車場証明などが必要で、観光客より厳しい条件が求められます。
留学生でも正規に住民票を得て、日本で運転免許を取得するか、認可された国際免許証を保持していれば、合法的に車を購入・運転することができます。
高収入の外国人が日本ではほとんど送金せず生活するのは可能?
在留資格「留学」で日本に滞在する場合、入管当局は経費支弁能力の証明を求めています。つまり、生活費や学費を十分に賄えることが求められます。
仮に自国に高収入の事業があり、日本では最小限の送金だけで生活していたとしても、形式上違法ではありません。ただし、留学目的が実態と大きく乖離していると判断されれば、ビザ更新や再入国時に不許可となるリスクもあります。
授業中に仕事をしていても問題ない?
留学ビザは「学業に専念するための在留資格」です。授業中に仕事をする、あるいは学業より副業やビジネスに時間を割くなどの行為は、本来のビザの趣旨に反するため、不正行為と見なされる可能性があります。
仮にPCで「調べ物をしている」と見せかけてビジネスに関する作業をしていても、教育機関の指導・出席率・成績などを通じてチェックされることがあります。また、アルバイトなどの就労は週28時間までと定められており、無断の業務活動は違反です。
ビザ制度は甘いのか?遊んでいる外国人は多いのか?
留学生の中には確かに「学業よりも娯楽を優先している」ケースも見られますが、それを理由に制度全体を疑うのは早計です。入国管理局や教育機関は、出席率・成績・生活実態などを通じて、継続的な審査を行っています。
ただし、制度上の抜け道を悪用している人が存在することも事実です。これに対し、法務省も虚偽申請や不法就労の取締りを強化しており、告示校であっても違反があれば在留資格の取消しや強制退去の対象になります。
まとめ:ビザ制度を正しく理解し、公平な目線で判断を
留学ビザ制度は、真面目に学ぶ外国人にとって重要な制度である一方、不正使用には厳しい対応が取られています。知り合いの行動が気になる場合も、あくまで制度とルールに基づいて冷静に見守ることが大切です。
一人ひとりのケースにより状況は異なるため、確かな情報は専門家(行政書士や入国管理局)に確認するのが確実です。


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