災害や政変など、緊急時に海外に滞在する日本人が自衛隊機で帰国するケースがあります。その際のパスポートの扱いやビザの記録については、通常の民間機とは異なる手続きが適用される場合があります。
自衛隊機での帰国と通常の出入国手続きの違い
通常の出国では、滞在国の出国審査官がパスポートにスタンプを押し、出国が正式に記録されます。しかし、自衛隊機での緊急帰国時は、相手国の空港の民間機とは異なる手続きがとられ、時には出国審査が行われないこともあります。
そのため、パスポートに出国スタンプが残らないということもあり得ます。
パスポートのビザ欄への影響
出国スタンプがないまま帰国した場合でも、ビザそのものが無効になるわけではありません。滞在国の法律や帰国理由により異なりますが、出国記録がないと、将来的に再入国時の審査で説明を求められるケースがあります。
例えば、ある国では「ビザの有効期間中に出国しなかった」と見なされ、今後のビザ取得に支障が出る可能性もあります。
帰国後の日本国内での対応
日本入国時、自衛隊機で帰国する場合は、成田・羽田・中部・関空など特定空港を経由し、特別入国手続きが行われます。このとき、外務省や入国管理局の担当官が対応し、渡航履歴や出国証明に関するヒアリングを受ける場合があります。
また、パスポートにスタンプが押されなかった場合でも、搭乗名簿などを元に出国証明が発行されるケースもあります。
実際の対応例:2021年アフガニスタン退避のケース
2021年、アフガニスタンの政変に伴い、自衛隊機で退避した邦人の多くは、現地出国スタンプなしで帰国しました。外務省と入国管理局が連携し、帰国者に対して補足的な聞き取りや文書での記録対応がなされました。
このようなケースでは、将来的な出入国履歴として公式文書に記録が残るため、安心して大丈夫です。
注意点と今後の備え
- 出国スタンプがなくても、退避記録は公式文書で残る
- 後日、外務省領事サービスセンターに渡航履歴証明を依頼可能
- 再渡航時には、状況説明書を準備しておくと安心
まとめ
自衛隊機での帰国時、パスポートに出国スタンプがない場合も珍しくありませんが、日本政府の手配による退避であれば、後日証明が可能です。将来のビザ申請や渡航時に備え、記録や証明書をきちんと保管しておくことが大切です。


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