本州と九州を結ぶルートの中でも、山口県と大分県を直接つなぐ“海上横断ルート”の構想は以前から地元関係者やインフラファンの間で話題となってきました。この記事では、仮に「山陽道〜笠戸島〜姫島〜大分空港道路」を結ぶアクアラインが実現可能かどうかを多角的に検証してみます。
想定ルートの概要と地理的な特徴
この構想では、山口県の山陽自動車道から分岐し、瀬戸内海側の笠戸島を経由し、姫島(大分県国東市)を中継地点として、最終的に大分空港道路に接続する形を想定しています。
距離的には約35~40km程度と見込まれ、東京湾アクアライン(約15km)に比べると倍以上のスケールになります。また、島を複数経由する点で技術的な難易度も高まるでしょう。
技術的に建設は可能か?
現代の土木技術では、長大橋や海底トンネルの建設はすでに複数例があります。東京湾アクアライン、瀬戸大橋、明石海峡大橋がその代表です。
ただし、笠戸島~姫島間、姫島~国東半島間は海底地形も複雑で、深さ・潮流の問題もあり、全区間を橋梁でつなぐのは困難です。トンネルと橋を組み合わせたハイブリッド方式が想定されます。
経済的な採算性はあるのか?
莫大な建設費に対して、利用者数がどこまで見込めるかが課題です。現状、山口〜大分の交通は関門橋経由またはフェリーが主体であり、人口密度や産業集積度を考慮するとアクアラインのような大動脈にはなりにくい面があります。
例えば東京湾アクアラインの総事業費は1.4兆円を超えました。同様の規模以上が想定される今回のルートでは、国・県・民間の投資が不可欠です。
地域振興と観光への影響
仮に開通すれば、姫島という観光資源を活かした新たな観光動線が生まれる可能性があります。姫島の車両アクセスが向上することで、文化財や自然体験などの観光価値も見直されるでしょう。
また、災害時の緊急輸送路としても一定の意味を持つことが予想されます。
類似構想との比較:他地域の海上連絡ルート
愛媛県と大分県を結ぶ「佐田岬~佐賀関ルート」もかつて議論されたことがありますが、採算性や自然環境の観点から実現には至っていません。
それに対し、しまなみ海道のように観光・物流を両立させる形で成功した例もあります。
まとめ
山口県〜大分県間をアクアラインで直結する構想は、技術的には実現可能性がある一方で、経済的・地理的制約が非常に大きいといえます。地域振興や災害対応の側面では一定の期待が持てるため、将来的な夢としては有望ですが、現時点では具体的な計画は存在していません。今後の地域の声と政策的後押しが鍵を握るでしょう。


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