海外に子どもを連れて行く際に、親権者間でのトラブルや連れ去りのリスクを心配される方は少なくありません。特に過去に問題があったケースでは、事前に法的拘束力を持つ「誓約書」や「公正証書」などを作成することが重要です。本記事では、連れ去りを未然に防ぐための誓約書の種類や内容、作成のポイントを具体的に解説します。
誓約書とは?どこまで法的拘束力があるのか
一般的な誓約書は「契約の一種」として扱われますが、公正証書などと比べて強制執行力はありません。ただし、書面として残しておくことは後の法的手続きで有効な証拠となり得ます。
たとえば、「〇〇年〇〇月〇日までに子を必ず帰国させる」「相手方の同意なく第三国に渡航しない」といった文言を明記することで、トラブル時の交渉材料になります。
公正証書による誓約のメリット
本格的な対策としては、公証役場で公正証書を作成する方法がおすすめです。これは第三者である公証人が関与することで、文書の信頼性と証拠力が格段に高まります。
実際に、家庭裁判所での面会交流や親権に関する争いの場でも、公正証書の存在は重要視されます。特に連れ去りや帰国拒否に備えた文言を入れることで、法的な「歯止め」の役割を果たします。
具体的な誓約内容の例
効果的な誓約書を作るためには、曖昧な表現を避け、明確な行動の制限を記載することがポイントです。以下のような内容が一般的です。
- 子の出国および帰国に関する期日と合意
- 出発前および帰国後の連絡義務
- 万が一帰国が遅れた場合の罰則や法的措置
- 第三国への渡航は禁止する旨
これらを盛り込むことで、行動の透明性を確保し、相手の無断行動を抑制できます。
署名だけでなく証人や印鑑も有効
誓約書をただ作成するだけでなく、弁護士の立ち会いや第三者の署名を得ることで、より信頼性の高い文書となります。また、印鑑証明を添付しておくと後日の争いにも備えやすくなります。
状況によっては、弁護士に内容を確認してもらい、法的な観点から漏れがないかをチェックしてもらうのが理想的です。
家庭裁判所での面会交流や監護権確認も選択肢
一時的な誓約だけで不安が残る場合、家庭裁判所に「面会交流の調停」や「監護者指定の審判」を申し立てる方法もあります。これは誓約より強い法的効力があり、相手が違反した場合には裁判所命令による対応が可能です。
国際的な子の連れ去りに関しては「ハーグ条約」も重要な背景にあり、日本も加盟国として一定の制度が整備されています。
まとめ:誓約書だけに頼らず複数の法的手段を準備
誓約書は子の連れ去りを防ぐ一つの手段ではありますが、それ単体では法的強制力に限界があります。公正証書の活用、弁護士への相談、家庭裁判所の利用など、複数の対策を組み合わせることで、より安心して海外渡航に備えることができます。
少しでも不安がある方は、早めに法的な専門家に相談することをおすすめします。


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