国際線での10時間以上の長距離フライトは、乗客にとっても大変ですが、乗務する客室乗務員(CA)やパイロットにとっても過酷な業務です。では、彼らはフライト中に休憩を取れるのでしょうか?本記事では、航空業界の実情や安全管理の仕組みをもとに、その勤務体制について詳しく解説します。
長距離フライトには交代制の乗務体制がある
10時間以上のフライトには、航空会社ごとに定められた乗務時間制限に基づき、あらかじめ複数の乗員が搭乗しています。特に長距離線では、2〜3名のパイロット(機長・副操縦士)が交代で操縦を行う体制が組まれています。
CAも同様に通常より多くの人数が搭乗し、業務を交代制で行うため、勤務中に休憩時間がしっかりと確保されています。
機内には専用の休憩室がある
多くの中・大型機(ボーイング777や787、エアバスA350など)には、乗務員専用の休憩スペース(クルーレスト)が設けられています。
客室乗務員用には簡易ベッドが設置された空間が天井裏や後部座席の奥にあり、パイロット用には操縦室近くにベッド付きの個室が確保されています。
フライト中のCAはいつ休むのか
食事サービスや巡回業務が終わった後、乗客の就寝時間帯などを見計らって、CAは交代で休憩を取ります。全員が一斉に休むことはなく、常に数名が勤務している体制です。
例えば、東京からロンドンへの約13時間のフライトでは、3交代制で一人あたり約3〜4時間の仮眠が取られることもあります。
パイロットも交代で睡眠をとる
航空法では、長時間の操縦による集中力の低下を防ぐため、機長や副操縦士が交代で操縦し、休憩・仮眠をとることが義務付けられています。
通常は機長・副操縦士・第二副操縦士の3名体制が多く、一人が操縦中、他の二人は休憩・仮眠や補助業務にまわるローテーションが組まれます。
安全運航のための法律とガイドライン
航空業界では、各国の航空法および国際民間航空機関(ICAO)のガイドラインにより、乗務員の休息時間が明確に定められています。
日本では、国土交通省の指針により、フライト前・中・後の休息時間や拘束時間の上限が厳しく規制されています。これにより、どんな長距離フライトでも乗務員が疲労で判断力を失うような事態は極力避けられています。
まとめ:長距離便は交代制で安全を確保
長時間の国際線フライトでも、パイロットもCAも交代制で仮眠や休憩を取りながら勤務しています。専用の休憩施設や法律による運用管理により、安全性とサービスの質が保たれています。
長距離便を利用する際は、乗務員も私たちと同じようにしっかりとした勤務体制で動いていることを知っておくと、より安心して空の旅を楽しめるはずです。


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