沖縄県が進める米国ワシントンD.C.での事務所再開計画に伴い、注目されるのが現地に派遣される駐在職員の渡航手続きや滞在資格の問題です。特に「どのようなビザで渡航するのか」「使用するパスポートは公用か」という点は、外交と行政の実務に関心のある方々から多くの注目を集めています。
地方自治体の駐在職員はどのようなビザで渡米するのか
一般に、地方自治体の駐在職員が米国での業務を行う場合には、非移民ビザの一種である「A-2ビザ(外国政府職員ビザ)」が用いられることが多いです。これは外交官に発給される「A-1」ビザに準じたもので、外交特権を伴わない公務渡航者向けです。
このA-2ビザは、たとえば在外日本大使館の事務職員や地方自治体の対外事務所勤務者に発給されてきた実績があり、政府間での公務として渡航する職員の立場に合致します。特に沖縄県のように県庁職員が正式に派遣される場合は、このビザが標準的な扱いです。
公用パスポートはどう使われるのか
日本では、政府や地方自治体の公務で海外に渡航する職員には、「公用旅券(Official Passport)」が交付されます。これは外交旅券とは異なり、外交特権はありませんが、公的活動を行う人物であることを証明するものです。
たとえば、総務省などを通じて外務省に申請され、正式な公務としての派遣であることが証明された場合、都道府県職員であっても公用パスポートが発行されます。沖縄県職員がワシントン事務所に赴任する際にも、通常はこの公用旅券を用います。
過去の事例に見るビザ・パスポート運用
過去には、北海道や東京都が独自に海外事務所を設置し、A-2ビザと公用旅券を使って職員を派遣してきた事例があります。これらは米国側との取り決めと日本外務省の認可のもと、円滑に運用されています。
たとえば東京都ニューヨーク事務所では、都庁職員がA-2ビザで赴任し、任期中の滞在資格を安定的に確保しています。沖縄県の再開予定のワシントン事務所も同様の枠組みに則ると考えられます。
eVisaやESTAとは何が違うのか
観光や商用などで一般の人が米国に渡航する際には、ESTA(電子渡航認証)やB-1ビザが使われますが、公務での長期滞在には適しません。ESTAでは90日以上の滞在ができず、また公的機関の業務を行うことも認められていません。
そのため、たとえ短期でも県の代表として現地で業務を行う職員には、A-2ビザのような明確な公務用資格が必要になります。これにより滞在中の法的地位が明確となり、現地での活動も安心して行えます。
まとめ:県職員の海外派遣には制度的な裏付けがある
沖縄県が進めるワシントン事務所の再開に伴い、派遣される職員は通常、A-2ビザを取得し、公用旅券を携えて渡米する流れが想定されます。これは外務省の管轄のもと、正規の手続きとして行われるため、特別な制度ではなく、他自治体の先行事例にもとづく一般的な取り扱いです。
今後も地方自治体による国際的な情報発信や交流活動が活発化するなかで、こうした制度の活用が重要性を増していくことでしょう。


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