道路上に設置された監視システムには、ドライバーの安全を守る重要な役割があります。中でも「オービス」と「Nシステム」は、目的も仕組みも異なります。本記事では、それぞれの特徴を“光源”に着目してわかりやすく解説します。
オービスとは:速度違反を自動的に取り締まる装置
「オービス」は、自動速度取締機の通称で、速度違反を検知・撮影して違反者に通知する自動化された取り締まりシステムです。正式名称は「自動速度違反取締装置」で、設置場所は警察が決定します。
近年のオービスは、赤外線フラッシュを使用して夜間でもナンバープレートや運転者の顔を鮮明に撮影します。これはドライバーに気づかれにくく、まぶしさもないため、走行の妨げにならない特徴があります。
Nシステムとは:車両の通過情報を記録する装置
一方「Nシステム」は、犯罪捜査や盗難車両の追跡などを目的に使われる、ナンバー自動読取装置です。速度の測定や違反の取り締まりは目的ではなく、車両の通過情報(ナンバー・時間・場所)を記録し、警察のデータベースに送信されます。
こちらは明るい白色LEDフラッシュを用いて撮影し、鮮明な画像を得ることでナンバー読取精度を高めます。夜間でもはっきり撮れるため、証拠能力が高いとされています。
両者の設置目的と運用機関の違い
オービスは主に速度超過の取り締まりが目的で、公安委員会・警察が直接運用します。一方、Nシステムは犯罪抑止・捜査目的で全国に網の目のように設置されており、これも警察庁の指導で各都道府県警が運用しています。
見た目は似ていますが、赤外線=オービス/白色LED=Nシステムという違いがあることで、現場でも識別が可能です。
設置場所や頻度にも違いがある
オービスは高速道路や国道の直線・下り坂など、速度超過が起こりやすい場所に限定的に設置されます。一方でNシステムは都道府県境や主要幹線道路、インターチェンジ付近などに広く設置され、通過記録を蓄積しています。
つまり、「交通違反の瞬間」を狙うのがオービス、「通行履歴」を追うのがNシステムという構図です。
まとめ:光源でわかる監視装置の正体
結論として、赤外線フラッシュ=オービス、白色LEDフラッシュ=Nシステムという分類は基本的に正しいです。
道路上で見かけた装置がどちらかを見分けたいときは、夜間に光の色を確認することで、ある程度の判断が可能になります。とはいえ、いずれもドライバーの安全と法令遵守を目的とした装置であることに変わりはありません。


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