エアロスター・エルガ・ブルーリボンに見る最新バスの安全装備とは?|エアバッグや衝突被害軽減ブレーキの導入状況

バス、タクシー

公共交通の要として活躍する大型路線バス。その代表格ともいえるのが「エアロスター(三菱ふそう)」「エルガ(いすゞ)」「ブルーリボン(日野)」です。これらの車両に関して、運転席にエアバッグがあるのか、また近年注目の衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備が導入されているのか気になる方も多いでしょう。この記事では、現行モデルを中心に、安全装備の現状と背景について詳しく解説します。

大型バスの運転席にエアバッグは付いている?

結論から言うと、一般的な路線バス(特に標準仕様)にはエアバッグは搭載されていないことが多いです。エルガ・ブルーリボン・エアロスターともに、カタログベースでは運転席エアバッグは「非装備」または「オプション扱い」となっている場合が大半です。

なぜなら、バスは構造的に前方衝突時のダメージをフレームで吸収しやすく、運転席と前方との距離が一般乗用車よりも取られているため、エアバッグの重要性が相対的に低く評価されがちという背景があります。

衝突被害軽減ブレーキ(PCS)は搭載されている?

衝突被害軽減ブレーキ(PCS: Pre-Collision System)は、近年では大型バスにも装備されるようになっています。特に2019年頃からは商用車への搭載義務化に向けた動きもあり、最新型のエルガ、ブルーリボン、エアロスターにはPCSが標準またはオプション装備として提供されています。

例として、いすゞエルガでは「スマートドライビングアシスト(SDA)」と呼ばれる統合安全機能に衝突被害軽減ブレーキが含まれています。これは前方の車両や障害物をミリ波レーダーとカメラで検知し、自動的に減速・停止を行うシステムです。

メーカー別の安全装備の進化

いすゞエルガ:
スマートドライビングアシスト(SDA)搭載車両ではPCS、車線逸脱警報、ふらつき警報などを装備。2021年モデル以降では標準装備化が進んでいます。

日野ブルーリボン:
「PCS(衝突被害軽減ブレーキ)」および「ドライバーステータスモニター」など、トラックと同様の安全機能を路線バス向けに適用。セーフティ・サポートカーS(サポカーS)基準にも対応。

三菱ふそうエアロスター:
「アクティブブレーキアシスト4」を搭載。歩行者検知にも対応しており、国内の路線バスで初めて搭載された高度な衝突軽減システムとして注目されています。

なぜバスにエアバッグは少ないのか?

安全性の観点では有効と思われるエアバッグが普及しない理由は、構造・コスト・運行特性の3点にあります。特に運行ルートが固定され低速走行が多い路線バスでは、乗用車に比べて衝突リスクやその速度が限定的と見なされ、エアバッグの必要性が低いとされているのです。

また、エアバッグの装備は費用がかさみます。多数の車両を保有する事業者にとってはコスト的な負担も大きく、「PCSなどの予防安全機能」を優先するという選択が現実的となっています。

先進安全装備は乗客にも影響がある?

衝突被害軽減ブレーキの動作は緊急的なもののため、乗客の姿勢やシートベルトの着用にも影響を与えることがあります。立ち乗り乗客や高齢者の多い地域では、急ブレーキのリスクにも配慮する必要があるため、慎重に調整された設定で運用されているのが一般的です。

たとえば、PCSの作動時は乗務員に警告を発した後、作動するまで一定の猶予が与えられており、不必要な急停止を避ける制御がされています。

まとめ:エアバッグよりも予防安全装備が主流に

エアロスター、エルガ、ブルーリボンなどの国産路線バスにおいては、運転席のエアバッグ搭載はまだ一般的ではありません。一方で、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備は急速に進化しており、現在のバス安全対策の中心となっています。

今後の技術進展により、エアバッグの搭載も広がっていく可能性はありますが、現状では「事故を防ぐ」ための装備に注力されていることを理解しておくとよいでしょう。

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