コロナ禍で消えた屋台の灯:祭りが中止された時、露店商たちはどう生きたか

祭り、花火大会

日本各地の夏祭りや縁日でおなじみの屋台。かき氷や焼きそば、金魚すくいなど、私たちにとって懐かしく心躍る存在です。しかしコロナ禍では、こうした風景が全国で姿を消しました。では、その裏で屋台を営んでいた露店商たちはどのような日々を送っていたのでしょうか。

屋台文化を支える人々の仕事とは

屋台や露店の多くは個人事業主や家族経営で成り立っています。祭りやイベントでの売上が収入のほとんどを占めるため、開催中止が長期間続くと、経済的打撃は避けられません。

露店商の中には全国を回って年中イベントに参加している人も多く、「イベント=生業」であるケースが一般的です。自治体や主催者との繋がりで成り立っており、現地に拠点を持たないため、コロナのような未曾有の事態ではまさに“路頭に迷う”状態に陥った人も少なくありませんでした。

コロナ禍の中で選ばれた代替手段

露店商の中には、SNSやネット通販などを活用し、商品のオンライン販売に切り替えたケースもありました。例えば、たこ焼き粉や焼きそばソース、縁日向けおもちゃなどを詰め合わせた「縁日おうちセット」を販売する取り組みが注目を集めました。

また、フードトラックへの転換やスーパー駐車場での短期出店、キッチンカーとして新たな営業許可を取得するなど、工夫を凝らして収入の糸口を探った人たちもいました。中には自治体や商工会の支援を得て、地元商店街とコラボした小規模イベントを開催した例も。

支援制度と公的サポートの実情

国や自治体の持続化給付金・家賃支援金なども、露店商にとっては一定の救済になりましたが、個人事業主で確定申告をしていなかったケースや、現金商売で売上証明が難しい場合など、支援の対象から漏れてしまった人も少なくありません。

また、「屋台業」は職業分類として曖昧なため、制度の網にかからなかった例も多く見られました。実際、生活保護を一時的に申請するなどして乗り切った人もいたと言われています。

徐々に戻る屋台の風景とこれから

2023年以降、全国各地で少しずつ祭りが再開され、屋台もそのにぎわいを取り戻しつつあります。しかし、露店商の中にはすでに廃業したり、高齢を理由に復帰を諦めた人も多いのが現実です。

一方、若い世代が新たに屋台に挑戦する動きもあり、コロナをきっかけに新しいスタイルの縁日文化が芽生えつつあります。地域密着型イベントや、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド形式の縁日など、新しい展開も注目されています。

まとめ:見えなかった苦労に思いを馳せて

私たちが“寂しい”と感じていたその裏で、生活そのものを失った屋台の人たちがいたことは、あまり語られてきませんでした。今、再びにぎわいが戻りつつあるからこそ、その存在に感謝し、屋台文化の継承を応援していくことが求められているのではないでしょうか。

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