「造船大国」の韓国であっても、フェリー会社が日本から中古船を購入する理由には、単に技術力の問題ではない複数の背景があります。本記事ではその構造的な要因とリスク、実際の事例を分かりやすくまとめました。
コスト面:中古船が圧倒的に“安い”
新造船の建造には
数年の納期と数百億円規模の費用が必要です。対して、中古船なら納期が短く価格も抑えられます。
特に日本の中古フェリー市場には1990年代以降の大型船が多く流通しており、韓国側にとっては即戦力として魅力的です :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
リスクと整備:既知の船体のメリット
中古船はスペックやトラブル履歴が公開されており、安全性や運用コストの見通しが立てやすいという強みがあります。
ただし、代表的な悲劇例として日本で建造され韓国で運用された「セウォル号」は、改造による重心不安定化などが問題となり大事故につながったケースもあります :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
造船所との契約事情と納期調整
韓国の造船所は大型商船やコンテナ船建造が主力であり、フェリー建造は後回しになる傾向があります。
発注しても数年待ちとなることが多く、フェリー会社にとっては「中古購入=納期調整可能+即運航」が実用的な選択です :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
中古購入の反動:社会的批判も存在
中古船購入には費用低減と迅速導入のメリットがあるものの、「中古船購入は安全軽視」というイメージもあり、2014年のセウォル号事故以降は批判が高まりました :contentReference[oaicite:3]{index=3}。
それでもなお、韓国主要フェリー会社は費用対効果を重視し、中古船を利用し続けています。
最新動向:国内新造船へのシフトも進行中
ただし最近では、韓国最大手のPanStar Ferryが自前の国内造船所で新造ローパックス船を依頼する動きも出てきています :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
これは国内建造能力を活用し、安全性やブランドを高める狙いがあるとみられます。
まとめ:合理性とリスクのバランスから中古船が選ばれる
韓国フェリー会社が日本の中古船を選ぶ主な理由は、
・コストを抑え
・納期を早め
・船歴が把握しやすい
という3点が決定的です。
ただし、それに伴う事故リスクや社会的反発も無視できず、今後は国内新造船への投資と中古船の使い分けという戦略がますます重要になっていくでしょう。


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