メタバースで体験する万博：修学旅行の新しいかたちとは？

2025年大阪・関西万博では、リアル会場への来場が難しい地域や事情のある学生のために、メタバースを活用した修学旅行プログラムが注目を集めています。最新の情報によれば、すでに一部の教育機関では仮想空間での万博体験を導入しており、その取り組みが静かに広がりを見せています。

万博メタバースとは何か？

メタバースでの万博体験とは、インターネットを通じてアクセスできる3D仮想空間上に構築された万博会場を、アバターで自由に巡ることができるサービスです。展示や講演、ワークショップなどがリアルタイムで体験できるようになっており、インタラクティブな学習体験としても評価されています。

実際に万博の公式サイトでも、メタバース空間を活用した「バーチャル万博」の試験提供が開始されており、今後さらに機能や対応学校が拡大される見込みです。

北海道や離島など、距離や移動費用の問題から万博への直接訪問が難しい学校では、修学旅行の一部や事前学習のコンテンツとしてメタバース万博を活用する動きが報告されています。文部科学省や各自治体とも連携し、ICT教育の一環として推奨されるケースも出てきています。

たとえばある北海道の中学校では、タブレットを使って生徒全員が仮想空間にアクセスし、事前にアバターの使い方を学んだうえで、当日は専門ガイド付きで各パビリオンを回るという形が採られました。生徒たちからは「想像以上に本物っぽくて楽しかった」との声も。

リアルな会場の臨場感には及ばないものの、メタバースには移動が不要、天候に左右されない、繰り返し見学できるなどの利点があります。また、バーチャル空間ではリアルの混雑や制限を気にせず自由に見て回れる点も魅力です。

ただし、一部の展示や体感型アトラクションなどはバーチャルでは再現が難しいため、あくまで代替手段としての活用となります。

万博運営事務局は今後、全国の学校向けにバーチャル修学旅行ガイドの提供や、教育関係者向けの説明会を行う方針です。参加には事前申し込みや端末・通信環境の準備が必要な場合もあるため、学校側の協力が重要となります。

また、体験に必要なアカウント発行やログイン方法なども学校ごとに異なることがあるため、詳細は公式サイトや教育委員会経由での確認を推奨します。

万博をメタバースで体験するという選択肢は、今後の修学旅行のスタンダードになる可能性を秘めています。距離や費用の壁を超え、世界最先端の展示や学びを平等に享受できるという点で、教育格差を埋める有効な手段の一つとなるでしょう。

今後、より多くの学校や教育関係者がこの仕組みを活用し、修学旅行や探究学習の幅が広がることが期待されています。