イルカショーはどこでも見られるわけではない？全国の施設事情とその背景を解説

かつては多くの水族館で開催されていたイルカショー。しかし近年、その数は徐々に限られた施設に絞られてきています。この記事では、イルカショーが全国でどの程度見られるのか、そしてその背景について探ってみます。

イルカショーのある水族館は実は限られている

日本国内には100を超える水族館がありますが、イルカショーを実施している施設はそのうちの20〜30ほどしかありません。すべての水族館にイルカショーがあるわけではなく、大型の施設に限られているのが実情です。

例えば、関西圏ではアドベンチャーワールドや城崎マリンワールドが有名ですが、閉園したみさき公園のように、経営や動物福祉の観点からショーを終了・縮小する施設も増えています。

イルカショーを行うには、大規模なプール、専門のトレーナー、十分な飼育環境が必要です。これらには多額の設備投資と維持費がかかるため、中小規模の水族館では導入が難しいという現実があります。

さらに、ショーを安全かつ継続的に行うには、イルカとの信頼関係を築くための長期的なトレーニングや、獣医体制も欠かせません。

近年では世界的に動物福祉の視点が重視されるようになり、日本でもイルカショーに対して批判的な意見が出るようになってきました。

その流れを受けて、動物に過度な負担をかけない形での展示やふれあい体験へとシフトする水族館も増加中です。ショーの内容自体も、派手なパフォーマンスから生態を学べる内容に移行している傾向があります。

これらの施設は、単なるショーではなく教育的な視点も取り入れており、子どもから大人まで楽しめる内容となっています。

「子どもの頃に行った場所ではイルカショーが当たり前だった」と感じる方にとって、現在の状況は少し寂しく感じられるかもしれません。

しかしその分、今あるイルカショーは希少性が高く、より大切にされている存在だと言えるでしょう。各施設の演出やコンセプトの違いに注目することで、より深く楽しむことができます。

イルカショーはかつてほど身近な存在ではなくなりましたが、今もなお魅力的な体験を提供してくれる貴重なイベントです。

観覧できる施設は限られているからこそ、見られる機会を大切にし、動物たちとのふれあいを楽しみましょう。ぜひ次の旅行先では、イルカショーのある水族館を目的地に加えてみてはいかがでしょうか？