梅雨明け後に聞こえるセミの声｜鳴き始めの時期と地域差、種類別の特徴を解説

夏の風物詩といえばセミの声。梅雨が明けた途端、耳に飛び込んでくるその鳴き声には季節の移ろいを感じます。しかし「梅雨明け＝セミが鳴く」とは限らず、地域やセミの種類、気候条件によっても違いがあります。この記事では、セミが鳴き始めるタイミングや種類別の特徴、地域による違いなどを詳しく解説します。

セミが鳴き始める時期の目安

一般的にセミが鳴き始めるのは、気温が25度を超える日が数日続く頃とされています。つまり、梅雨明け直後の晴天続きのタイミングが鳴き始めに最適な条件と言えるでしょう。

ただし、気温の上がり方には地域差があるため、梅雨明けと同時に鳴き出す地域もあれば、少しタイムラグがある地域もあります。

関東や関西など都市部では、例年6月下旬から7月中旬にかけて最初の鳴き声が確認されることが多く、特にヒグラシやニイニイゼミから始まる傾向があります。

たとえば、2024年は関東地方で7月1週目に梅雨明けが宣言された直後から、都内各地でセミの鳴き声がSNSに投稿され始めました。九州など南の地域ではそれより1週間ほど早い傾向があります。

セミの種類ごとに鳴き始める時期が異なるため、どの鳴き声が聞こえるかで季節の進行度もわかります。

この順序を知っておくと、耳にした鳴き声で今が夏のどの時期かもわかるようになります。

異常気象や気温の変動が大きい年は、セミの羽化が遅れたり、鳴き始めが不安定になることもあります。たとえば冷夏や豪雨が続く年は、セミの声をあまり聞かないまま8月を迎えるということも。

また都市部のヒートアイランド現象などで、鳴き始めの時期が年々早まっているという調査報告もあります。

セミの鳴き声は単なる自然音ではなく、季節の情緒や人の記憶にも深く結びついています。「ミーンミーン」という音を聞くだけで、小学生の夏休みの記憶が蘇るという人も多いのではないでしょうか。

旅行や帰省の途中でセミの声を聞いたら、ぜひ耳を澄ませて種類を当ててみるのも楽しい体験になります。

セミが鳴き始めるタイミングは、梅雨明けと気温上昇が鍵を握っています。地域や年によって差があるものの、多くのエリアで梅雨明け後1週間以内にはセミの声が聞こえ始めるでしょう。

セミの声を夏の始まりのサインとして感じ取りながら、短い夏を楽しんでみてはいかがでしょうか。